ヒルサイドフォトフェアで知ったMatthew Pillsbury の写真集 City Stages が手に入りました。
ギャラリーの話では「この作家は人気がうなぎのぼり」なのだそうです。
8x10を使い、都会、ホテルの一室、博物館や美術館などで撮られたイメージはどれも長時間露光で、人の姿は幽霊のようにぼやけています。 その反面、モノの存在感は際立っています。
ルーブル美術館のモナ・リザ、博物館の化石や骨格標本など、永遠の命をもつ物質の前で、生身の人間はその存在も不確かなように見えてきます。 室内でパソコンやテレビを見つめるひとも、虚ろで真っ白な画面と同様、希薄な存在に過ぎなくなります。
しかし、ページをめくっていくと、その存在感が薄い人間の活動が文化を築いてきたということに思いがいたります。 イメージの美しさと、そんなことを考えさせる着想が人気の理由なのでしょうか。
作家のホームページを見ると、来日して撮ったカラー写真も多く載っています。 観光名所ばかりでなく、拙宅近くの公園も登場していて、少し驚きました。
みなれた風景を異世界のように撮る、そんな試みもしてみたくなります。
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