このブログを検索

2026年8月25日火曜日

Tokyo 8x10

久しぶりに猛暑となった日に、先週の針穴写真展と同じ江東区文化センターに伺いました。

例年通り、バイテンで撮ったということだけが共通項になる、多様な作品が並んでいます。中には湿板写真からAIで立体化し、それを3Dプリンターで実体化したというオブジェがあり、ひときわ目を惹いています。コンセプト勝負の現代アートですね。

ネガカラーで撮影し、伝統的な引伸ばしで作ったカラープリントは、印画紙の最終在庫を使ったそうで、これ以降はもう作れない貴重な作品です。

自分の好みとしては、伝統的な銀塩白黒プリントになじみを感じますが、みなさん「今、材料が手に入るうちに作品を作っておこう」という悲壮な覚悟が共通しているようです。

まさに絶滅写真展ですね・・・。



2026年8月18日火曜日

針穴写真展 2026

 江東区文化センターで針穴写真展2026を拝見しました。

毎年おなじみのこの会場での開催は今年で最後になるそうです。会場設営作業の負担が大変になって来たそうで、どこの写真団体も高齢化の波から逃れられないようです。

受付横にはバットやピンセットなど暗室用品が「ご自由にお持ちください」と並べられていますが、これも同じ理由でしょう。





広い会場に並べられた写真で目に付くのは、自分の好みのせいか白黒でプリントされたものばかりです。田所会長の作品は言うに及ばず、奥まったスペースに展示された上野道弘氏の「I'm here」も秀逸です。針穴写真という技法の特徴を踏まえたうえで、静かながらダイナミックな世界が描かれていて、みごとな白黒写真の表現でした。




2026年8月2日日曜日

真夏の写真展めぐり

 連日の猛暑ですっかり外出を控えていましたが、8月1日に三つの写真展をめぐりました。

志鎌猛 不易流行 Shape of Water 日本橋高島屋美術画廊X

森や樹木のイメージを捉えていた印象が強い作者ですが、今回は水がテーマです。

老舗デパートの美術画廊という贅沢な空間で観るプラチナプリントは、静謐な感がより強くなるようです。自分の表現にマッチするような紙の種類を選ぶなど、技法についても詳しく教えていただくことが出来ました。見慣れた世界が、作者のイメージによって未知の世界のように捉えられていて、「写真」のちからを感じることが出来ました。



ギャラリー バウハウス 20周年記念写真展

1階の展示では、ユージン・スミスの有名な「カントリー・ドクター」が目を惹きましたが、階下に降りると谷川俊太郎が若いころに撮った作品に目がとまりました。日常を淡々と捉えたものですが、ニュープリントということもあってか、作者の若々しい感性が感じられます。

そのなかに写っているコーヒーカップは、昭和初期から祖父が使っていたものとほとんど同じデザインだったので、思わぬ再会が出来たような気持ちです。

ギャラリー・ストークス ソフトフォーカスの世界


表参道から骨董通りに出てギャラリー・ストークスに伺いました。
父と子がフィルムとデジタルという二つの技法を分担?しながら、ソフトフォーカスというクラシックな表現で作品を仕上げています。親子の共同展示という、大変うらやましい写真展です。







2026年7月12日日曜日

解体中の川崎市市民ミュージアムで撮影

 川崎市市民ミュージアム(川崎市中原区・等々力緑地内)は、令和元年東日本台風による内水氾濫で地下収蔵庫が浸水し、大きな被害を受けました。

長らく休館が続いていましたが、等々力緑地での復旧は断念され、建物は解体のうえ、多摩区の生田緑地ばら苑に隣接する区域へ移転することになっています。

新しい施設でも展示やコレクションの方針は維持される予定とのことです。しかし、新しい敷地は等々力緑地より狭くなるため、現在の建物をそのまま再現することはできず、施設のあり方はゼロベースで検討されているそうです。

説明会では、学芸員へのアンケートの結果として、写真暗室のような利用目的が限定される部屋は、本来の用途で使われなくなってしまった例もあったと伺いました。そのため、新施設では用途を限定した部屋は設けず、多目的スペースを中心とした構成になるとのことでした。

時代の流れとはいえ、使いやすい暗室だっただけに、アナログ写真を愛好する者としては少し寂しく感じます。

市民ミュージアムは、ゾーンシステム研究会代表の中島先生がゾーンシステムのワークショップを始められた場所でもあります。

私もここで中島先生や伊奈先生のワークショップに参加し、その後は写真ワークショップ修了生で構成される写真部会(本日写真家協会(ほんじつ写真家協会)日曜カメラマンにはピッタリな名前です。)にも参加していました。何度も足を運んだ、私にとって思い出深い場所です。

伊奈先生がFacebookに投稿された解体工事の写真を見かけ、「最後の姿を自分の目で見ておこう」と思い、7月5日に久しぶりに市民ミュージアムを訪れました。

解体工事の様子は、隣接する「ふるさとの森」から金網フェンス越しに見ることができます。工事はかなり進んでおり、映像ホール、レストラン、エントランス、ミュージアムショップ、逍遥展示空間などは、すでに更地になっていました。川崎市市民ミュージアムは、上空から見るとアルファベットの「C」の中央に屋根を架けたような特徴的な形をしています。しかし、その屋根はすでに取り壊され、現在は「C」の部分にあたる建物だけが残っています。そこには写真暗室をはじめ、市民向けワークショップが行われた部屋や、川崎市内の小・中・高校生の図工・美術作品が展示されていたエリアがありました。

本当はハスキー4段程度の高さがある三脚ならフェンス越しに撮影できそうでしたが、あいにく持っていませんでした。そこで、ガードフェンスに雲台のパン棒を固定し、カメラを支えて撮影しました。

4×5判カメラのピントグラス越しに市民ミュージアムを見つめると、在りし日の風景が次々と思い浮かびました。

写真を学ぶきっかけを与えてくれた川崎市市民ミュージアム。
「ありがとう。」
そんな気持ちを込めて、静かにシャッターを切りました。







2026年6月2日火曜日

富士フイルムフォトサロンとPGI

台風が近づきつつある日の午後に、ギャラリーを二か所めぐりました。

1 六本木 富士フイルムフォトサロン

 井津建郎 「無常」は、超大判カメラでとらえた遺跡などなじみ深いイメージが主ですが、このギャラリーの方針で額にガラスは入れてないため本当に間近に見ることができます。
なかにはベルトパーティションが設置されている貴重な作品もあります。
大部分はプラチナプリントですが、ゼラチンシルバープリントもあって、描写の違いを楽しむことができました。プラチナプリントはリアルな世界よりも、どこか別の世界を描くのに適しているように思えるのは、考えすぎでしょうか。
会場には同時に日本写真協会賞を受賞した作品が展示してあるのですが、それぞれの表現領域があまりにかけ離れているようで、正直なところすこし戸惑いました。

写真歴史博物館には潮田登久子「マイ ハズ バンド」が展示してあります。こちはらはプリントサイズも小ぶりで、ホームドラマを見るような親しさがあります。作者は大辻清司氏に師事したということで、家族を見つめる視線、というより作者を見つめる家族の視線にどこか師の影響が感じられるようです。

六本木駅から地下鉄大江戸線に乗り、2駅目の赤羽橋からPGIへ。

2 原直久「柘榴」
小さな果実を8x10で接写するのは技術的にも大変な作業だと想像されます。果肉は宝石のように輝いていて、まるで内部から発光しているようにも見えます。
プリントは銀塩、プラチナ、インクジェットが使われているそうですが、ほとんど見分けることができないほどクオリティがそろっているのも作者の力量を感じさせます。

もっと長居したかったのですが、空模様も怪しくなってきました。


 

2026年5月14日木曜日

本橋成一・広川泰士 作品展「原点」

若き写真家がとらえた筑豊、とサブタイトルが付いた写真展を観ました。(JCIIフォトサロン 5月31日まで)
二人の写真家は1960年代から70年代にかけて、お互いの存在も知らずに筑豊を撮り続けたそうです。本橋氏(昨年逝去)は広川氏より10歳年上とか。やはり作風にそれぞれの時代を感じさせるものがあります。両者ともにオリジナルプリントの展示で、見比べていくと興味が尽きません。カメラやべた焼きアルバムも展示してあるので、作者の現場でのアプローチも追体験できます。

本橋作品は正統的な(?)グラフジャーナリズムの写真という印象です。エネルギー転換政策の犠牲となった人たちを、共感を持って描いているようです。
いっぽうで広川作品は、70年代初期の雰囲気がただよっています。粒子を荒らし、硬調に仕上げたプリントはどちらかといえば「情況」を提示することに重きを置いているような気がします。(勝手な解釈ですが・・・) 

才能ある写真家の、スタート地点をみていくのも勉強になります。

2026年3月20日金曜日

服部一人写真展 「いつか見たタイ」

 ギャラリーストークスの服部一人写真展「いつか見たタイ」にお邪魔しました。

パノラマカメラ(手作りの6×12)で撮影し、プリントもご自分で焼いたという写真は暖かみのある視線で統一されています。フィルムは富士とコダックを使ったそうですが、プリントをみても区別は出来ません。

カラープリントの手作業は大変な苦労があると思いますが、フィルム文化を何としても残したいという強い使命感をお持ちでした。しかしながら、富士フイルムがカラー印画紙の製造をやめるというアナウンスが先ごろあったとかで、大変なご時世になったものです・・・




6×12カメラは既存のパーツを組み合わせたという手作りで、存在感があります。
4×5グラフロックに蛇腹のフォーカシングレールの付いたホースマンの部品は、引き伸ばし機にも応用できそうです。









服部先生の大判カメラワークショップには、研究会の会員も参加していますが、これからも続けるそうで楽しみです。

2026年3月18日水曜日

小林紀晴写真展「Cyber Modernity」


 ニコンサロンの小林紀晴写真展は、予想に反し(失礼!)大判カメラで撮影されたかのように都市を精密に描写した素晴らしいものでした。作者の名付ける「超現代電子空間」には生身の人間は殆ど見当たりません。ほとんど例外的に女性の半身像がありますが、都市を眺めている後ろ姿で、主役というよりは我々と同じ観客の一部のようです。
東アジアの、その土地の伝統や文化と切り離された異様な都会風景は、月並みな印象ではブレードランナーの舞台のようにも見えます。空飛ぶ自動車でも写っていないかと、探してみました・・・
会場を出て表を眺めると、新宿の街も異様な光に包まれているような錯覚を覚えました。

2026年3月6日金曜日

建て物写真展と杉山吉良展

  JCIIで二つの写真展をみました。

・第21回 建て物写真展

以前会員だったK氏が世話役を務めている建物の写真展(前回はこちら

国内外の建物を様々な角度で切り取っています。自分の好みもあるでしょうが、白黒写真の方が建築物の構造を見せるのに適しているようです。


杉山吉良作品展 「美しき巨人」

女性写真で有名な写真家の作品展ですが、90歳近い実業家・松永安左ヱ門氏を10年間追い続けたポートレートです。日常の瞬間を切り取る撮影の腕前もみごとですが、それ以上に驚いたのはプリントの美しさです。係りの人にお話を聞くと、60年前のオリジナルネガからあらたにJCIIの担当者がプリントしたのだそうです。この時代のネガはビネガーシンドロームに侵されるものだと思っていましたが、そのような形跡は感じられません。保管方法による違いもあるのでしょうか。



2026年2月27日金曜日

CP+ 2026

 パシフィコ横浜のCP+に行きました。昨年と同様、駅から会場までのバナーは控えめです。

会場には今までより銀塩写真の関係が増えたように思います。なかでもポラロイドが結構大きなブースを構えているのに驚きました。話を聞くとフィルム生産は継続しているとのこと。かつて「インポッシブル・プロジェクト」として、元従業員が再開したのだそうです。ロゴはPolaroidからpolaroidに替っていました。

おもわず「ピールアパート方式のフィルムは再開しないの?」と聞くと、「その質問は今日で5人目です!」とのご返事でした。タイプ55フィルムなどの再開は無理そうです。

銀塩関連ではかわうそ商店もブースを構えています。フィルムだけでなく現像タンクも色々あり、パターソンのタンクでシートフィルムを現像するアダプターや、モーターで回転させる装置など、興味深いものがあります。

薬品ではコダックのD76やエクストールも展示してありました。並行輸入で入手可能だそうですが、お値段もフィルム並みに上がってしまうようです。

昨年以前に比べ銀塩写真の復権が目立つようで、すこしうれしくなりました。

不思議な展示も・・・

ウエストレベルファインダーを備えたデジカメのコンセプトモデルがキヤノンにうやうやしく飾ってあります。具体的な発売予定はなさそうですが、粗い画質がアナログ的・・・というコンセプトらしいので、少し違うなあと思いつつ会場を後にしました。





2026年1月31日土曜日

二つの眼差し 矢島公雄+Chema Madoz写真展

私たちは写真が三次元の世界を二次元に表現するものだ、という知識や先入観を持っているのですが、それを逆手にとったマジックをみるとなぜかとても楽しくなります。

ギャラリーE&Mで終了間近の矢島公雄+Chema Madoz写真展を観ました。

何気なく見ると積み重ねた本に過ぎない写真から、とつぜんエッフェル塔が浮かび上がったり、青空だと思っていたら青い紙だったり・・・と、作家は「図」と「地」を自由自在に入れ替えたり、空間と実体をすり替えてしまいます。見ていくに従い、次の写真にはどんな仕掛けがあるのか、身構えている自分に気づきます。

作家が好きだったというマグリットの絵と共通する諧謔の精神も感じます。

幸運なことに会場には作家の奥様が居られて、作品創りの種明かしや苦労話などを伺うことが出来、とても楽しいひと時になりました。現在ならデジタルで合成なども容易にできるのでしょうが、アイデアを実現するために、途方もない努力がはらわれたということも驚きです。アイデアの発見と執念とがこれらの作品を成り立たせているようです。

***

作家の矢島公雄氏は、病床でこの展示の様子をスマートフォンの画面で確認してから旅立たれたそうです。鮮やかなマジシャンの幕引きにはさらに驚かされました。



2026年1月15日木曜日

暗室フェス

 浅草橋駅から歩いて数分のところにある「写真企画室ホトリ」で、「暗室フェス」を拝見しました。
DMをみると、暗室用品の即売会か?とも思えますが、作者が暗室でプリントした作品を展示する公募展です。白黒だけではなく、カラープリントの手焼きもあります。キャプションにプリントした暗室も表記してあるのがユニークなところで、名の通ったレンタル暗室や自宅暗室など様々ですが、やはり自宅で処理する人は少数派のようです。









1階のギャラリーから急な階段を上ると手作り感満載の暗室があります。研究会会員の鈴木さんが整備に力を尽くしています。

暗室で作品を作り、それを同じギャラリーで展示するのが理想的です。

(この暗室のレンタルはまだ検討中だそうですが)

暗室で写真を創るというプロセスは手間も費用もかかりますが、何をどう表現するのか、ゆっくりと検討しながら仕上げていくのが大切ですね。



2025年12月26日金曜日

ケントメア PAN200フィルム

 フィルムの値段が天文学的になっている昨今、白黒ブローニーで唯一?1000円以下の貴重な存在がケントメアフィルムのようです。(2025年末現在)

ゾーンシステム研究会のなかで評判が良いので、自分も試しにPAN200を使ってみました。

一発勝負だったので実効感度は100に設定、現像はSPD1:1希釈 11分としました。(イルフォードHP5+で標準的に使っている現像条件です。実効感度は250)

現像を始めると前浴の排水が全く着色しないので、何かを間違えたかと嫌な予感がしましたが、一応無事にできたようです。ネガを見ただけの段階では、現像オーバーになった印象ですが、ベース濃度がずいぶん高いですね。アクロスと比較すると0.1以上は濃いようです。

どうやら35mmフィルムと同様、裏面のハレーション防止層を省略してあるようです。材料を共通にすることでコストダウンを図ったのでしょうか?

アクロスに濃度0.1NDフィルターを重ねたものより、ベース濃度は高いようです→


2025年12月23日火曜日

篠田烈写真展 デジャヴュ 記憶の街 と 日芸教員作品展 SKY VIII

 師走の一日、ギャラリーバウハウスとソニーイメージングギャラリーを巡りました。

篠田烈写真展 デジャヴュ 記憶の街

題名からも想像されるような、遠い記憶の中をさまようような、懐かしいイメージに満ちています。ギャラリーのあるお茶の水周辺は学生時代に通い慣れた街なので、一層その感じが強いのかもしれません。(作品はギャラリー周辺だけにとどまりませんが)

作者とお話しすると、以前ゾーンシステム講座を受講したとのことでした。思い描くイメージを印画紙に定着する技術はさすがとお見受けします。ガラス窓越しの風景は、過去と現在の二重写しに通じるのかもしれません。

ギャラリーのショーウィンドウを撮ると映り込みが目立ちますが、最近のPhotoshopではこれを自動的に除去してくれるので、試してみました。

 ← 元の画像← Photoshopによる映り込み除去(中心付近の拡大)

たしかにきれいにはなりますが、記憶のあいまいさといった雰囲気が消えてしまうようです。

** お茶の水から地下鉄で銀座へ **

初めて入るソニーイメージングギャラリーはビルの6階で、街にあふれる外国人観光客もあまり入ってこない?落ち着いた空間です。

日芸写真学科の先生方の作品は、対象や表現にそれぞれの個性があり、たいへん見ごたえがあります。経歴を拝見すると、みなさん企業などで実践を積んだうえで学校にもどり教えておられるようで、その力量にうなずけます。

プロフィール写真に、サン=ラザール駅裏でジャンプする場面がありますが、自作自演だと種明かしをしてもらいました。なるほど!




2025年11月12日水曜日

Newly taken in 2025 展

 JCIIクラブ25で、「広川泰士と東京工芸大学OB・OGによるグループ展」を拝見しました。

広川氏の作品で真っ先に思い浮かぶのはTimescapeシリーズなど、大判カメラによるコンセプチュアルな表現なのですが、ここでは35mmフィルムのパーフォレーションまで使って木立の表情を写しており、意表を突いたアイデアとも思えるものでした。ギャラリーの暗い壁にピン止めされたプリント群は、枯葉の変化を見つめた巨大プリントに呼応するのか、などと後から気がついたのです。

2025年10月30日木曜日

内藤明写真展 elsewhere

秋晴れの午後、ギャラリーE&M西麻布の内藤明写真展 elsewhereにお邪魔しました。このところ毎年のように精力的に発表されています。昨年はこちら

いつもながら銀塩の漆黒に満たされたプリントを堪能できます。作品を鑑賞するには、眼が暗順応するまで、しばらく見つめていなければならないようです。

タイトルにelsewhereとあるように、何処か他所の世界に引きずり込まれます。キャプションには撮影地と思しき地名が書かれていますが、それは記号としての意味しか持たないようです。

ギャラリーには内藤先生の教え子で感材メーカーに勤めていた方や、オルタナティブプリントで日本を代表する作者がおられ、作品鑑賞はそっちのけで楽しいお話が出来ました。

そんなわけで会場の写真を撮るのを忘れてしまいました・・・

 


2025年10月25日土曜日

佐藤時啓展と大坂寛展

 

寒い雨の降る週末に二つの写真展を拝見しました。どちらも、ほぼ同年代の作家により、8×10メインで撮影された作品という点が共通しています。

佐藤時啓写真展 光―呼吸:City Scape
中目黒の大通りから少し入った住宅街にあるPoetic Scapeというギャラリーです。美術館で観ることが多いこの作家の作品に接したのは、何と10年以上も昔のことでした。ギャラリーで間近に観ると、改めて写真の力が伝わってきます。広大な空き地や建物の前で、絶え間なくペンライトを振り回す作者の労力を想像すると、イマジネーションを定着するために払われた途方もない準備や努力に釘付けとなります。
巨大なプリントのほかに、8×10のコンタクトプリントが「お求めやすいお値段」になっていました。

大坂寛写真展 記憶の海
雑司ヶ谷のS3ギャラリーは、ことしの3月に岡崎正人氏の展示で伺った新しいギャラリーです。
8×10ネガをプリントするために、引伸し機を自作するというエネルギーも相当なもの。ただ、それ以上にあえて荒天を選んで撮影した海は、荒々しさよりどこか夢幻的な静けさが感じられます。

二つの展示をみて、写真のテーマの見つけ方、その掘り下げ方に無限の可能性があると再認識した次第です。


2025年9月27日土曜日

Hypergon 60mm

 今年も江東区文化センターで開催中のTokyo 8x10 Exhibitionにお邪魔しました。

例年通り、銀塩、湿版、フラットベッドスキャナをカメラのフィルム面に置いて直接読み込んだもの・・・と、様々な手法の労作が並んでいます。最低限の共通項は「大判カメラをつかった作品であること」でしょうか。

中で興味をひかれたのは、1900年製のHypergon 60mm f22超広角レンズによる作品でした。センターNDとレタッチの成果とはいえ、周辺光量落ちもかなり補正されています。そして驚くのはそのシャープさです。白黒作品なので色収差などは判りませんが、100年以上昔のレンズとは思えない描写でした。思わずマネしたくなりましたが、普通の8×10カメラではピントも出せないとのことで、すんでのところで思い留まりました。

会場では偶然ゾーンシステム研究会を休会中の3人と顔が合いました。みなさんそれぞれ写真は続けておられるようです。