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2018年2月1日木曜日

サミング・アップ

英語のリスニング練習として、Lensworkのポッドキャストを時々聴いています。
http://daily.lenswork.com/podcast/

昨年(2017年)の11月には数回にわけて「サマセット・モームのアドバイス」という特集をやっていました。モームの回想録的な随筆である「サミング・アップ」という本から、写真にも参考となる創造のプロセスを紹介しているようです。(ようです、と書くのは、しっかりと理解できていないからですが)

ひごろ文学というものに縁のない私でも、サマセット・モームという名前ぐらいは聞いたことがあります。この本は1938年、モーム64歳の時に出版されたそうで、成功した文学者としての人生の締めくくりを意識して書かれたものだそうです。ちょうど80年前の64歳は現在とはずいぶん意味が違っていたでしょう。

で、岩波文庫を求めて Lenswork の Brooks Jensen氏の言葉を追ってみたのですが、引用部の朗読と翻訳文を対照するのは結構な手間です。それでも何とかしらべると、Jensen氏が言及しているのは殆ど最初の20ページ(翻訳で)程のようです。
最後の引用部分は「真面目な作家・・・なら死後の自分の作品の運命にまったく無関心ではいられないと思う。・・・」(行方昭夫訳 文庫20ページ)で、そのあとに"Your Photographic Legacy"というワークショップの予告につながっています。・・・なんだ、広告だったのか。

研究会でもポートフォリオという形式で自分たちの作品を残そうとしています。精魂こめて創った自分の分身が忘れさられ、捨てられてしまうのを情けなく思う気持ちは古今東西変らないですね。
でも、この本を読み進むとモームは冷静に、そして辛らつに分析しています。意外とも思える考察の一つに「・・・美は各時代の要求に関わるものであり、・・・絶対的な美の本質を探すのは無駄だ・・・」(同344ページ)という結論も用意されています。創作する意義は、まさに創作する時にのみ存在するのでしょうか?


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