渋谷の松涛美術館で開催の「廃墟の美術史」展を観ました。
写真でも「廃墟」はよく取り上げられる題材ですが、西洋美術で流行したのは18~19世紀からだそうです。
日本画の世界ではほとんど取り上げられなかったとか。やはり石造りの建物でないと廃墟も美しくならないのでしょう。
例外はカリフォルニアのボディでしょうか。
2階の展示はその当時の西洋絵画や版画などが主です。
地下の展示はがらりとかわり、マグリット、キリコ、デルボーらシュルレアリスムから現代日本の作品となっています。(こちらは撮影スポットがありません)
細密に描かれた渋谷や国会議事堂の廃墟図もおもしろいのですが、初めて観る 今井憲一「バベルの幻想」には動けなくなりました。空高くそびえる建物はマグリットの影響かもしれませんが、建物の実体と空とが手品のように入れ替わるさまは見飽きることがありませんでした。
美術館を出て、さっきまで廃墟に描かれていた渋谷の街を歩くのは面白い経験です。
先日までは賑わっていたビルの一角がガランとしたスペースになっているのはプチ廃墟とでもいえるでしょうか。
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