日本写真芸術学会の「写真プリント研究会」を聴講してきました。(2024年2月3日 東京工芸大学中野キャンパス) 正式なタイトルは「デジタルモノクロ銀塩バライタプリント(通称ラムダバライタ)について」というものです。
イタリアのダースト社製ラムダプリンターは、銀塩印画紙にレーザー光線で露光するもので、カラープリントの機械だと認識していましたが、バライタ印画紙を使えばデジタル銀塩モノクロバライタプリンターとなるわけです。印画紙は50インチ幅のロールなので、この幅のプリントを作ることができます。なお、現像から定着、水洗は大きなトレーで手作業で行っています。印画紙がパンクロなので、現像は全暗黒が必要とか。
会場では広川泰士氏のTimescapesの作例などが展示され、いろいろとお話を聞くことができました。このシリーズは砂漠の岩と星の日周軌跡を捉えたものですが、一晩では露出が終わらず、翌日にかけて撮影することもあったそうです。光線漏れや蛇腹の内面反射などがあり、その補正をラムダのオペレーターに伝えるのも苦労したとか。
氏は20×24までは自分で引き伸ばせるが、それ以上はラムダで出力することになるとおっしゃっていました。
私が最も気になったのは、PCのモニターで見るデジタル画像と、ラムダで出力するプリントの調子をどのようにマッチングさせるかでしたが、オペレーターの方に質問すると試しプリントをみて調整するという、極めてまっとうなお答えでした。
50インチの巨大プリントを作る機会は私になはいと思いますが、もしそのような作品ができたら試してみたいものです。
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