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会員Hさんのお薦めで、小林紀晴著「写真はわからない」(光文社新書)という本を読みました。示唆に富んでいて、自分の写真の撮り方を見直すにためにも大変参考になります。とはいっても、写真技術のハウツーではなく、テーマの発見やその発展について、自身の写真家としての実践や教育者の経験が多面的に語られています。
本書の冒頭では森山大道を例に、なぜその写真が「有名」なのか、そして最後には杉本博司の海景がどうして評価されるのかなど、写真作品の価値についての考察がスリリングです。
私は著者についてあまり多くを知りませんでした。数年前に家の近くの「ブックオブスキュラ」という写真専門の書店で、tokyo nature photo という図録を求めたことがあるだけです。写真と見開きに配置された短文を改めてよみかえしてみると、作品創りにはコンセプトを言語化できることが大切だと思い知らされました。
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