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2023年12月26日火曜日

「前衛」写真の精神

 「なんでもないものの変容」とサブタイトルのついた展示を観ました。(松濤美術館 2024年2月4日まで)

アジェや、シュルレアリスムから影響を受けた戦前の前衛写真をはじめとして、戦後の大辻清司、牛腸茂雄などが並んでいます。今年が生誕百年となる大辻と、その教え子である牛腸の作品がメインとなっているようです。

わざわざ「前衛」とカッコに入れたのは、とくに牛腸をそう呼ぶのに違和感があるからでしょうか。

大辻が名付けたという「コンポラ」は「プロヴォーク」と並んで1960~70年代の現象でしたが、「前衛」という戦闘的な言葉とは相いれないように思えます。

「なんでもないもの」を何でもないように表現するのは、意識的に無意識を装うような努力が必要なことなのでしょう。

ぼんやりとそんなことを考えながら美術館を出て、師走の渋谷の街を歩くと、見慣れた街がどんどん変容していく様を目の当たりにします。

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