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2025年10月30日木曜日

内藤明写真展 elsewhere

秋晴れの午後、ギャラリーE&M西麻布の内藤明写真展 elsewhereにお邪魔しました。このところ毎年のように精力的に発表されています。昨年はこちら

いつもながら銀塩の漆黒に満たされたプリントを堪能できます。作品を鑑賞するには、眼が暗順応するまで、しばらく見つめていなければならないようです。

タイトルにelsewhereとあるように、何処か他所の世界に引きずり込まれます。キャプションには撮影地と思しき地名が書かれていますが、それは記号としての意味しか持たないようです。

ギャラリーには内藤先生の教え子で感材メーカーに勤めていた方や、オルタナティブプリントで日本を代表する作者がおられ、作品鑑賞はそっちのけで楽しいお話が出来ました。

そんなわけで会場の写真を撮るのを忘れてしまいました・・・

 


2025年10月25日土曜日

佐藤時啓展と大坂寛展

 

寒い雨の降る週末に二つの写真展を拝見しました。どちらも、ほぼ同年代の作家により、8×10メインで撮影された作品という点が共通しています。

佐藤時啓写真展 光―呼吸:City Scape
中目黒の大通りから少し入った住宅街にあるPoetic Scapeというギャラリーです。美術館で観ることが多いこの作家の作品に接したのは、何と10年以上も昔のことでした。ギャラリーで間近に観ると、改めて写真の力が伝わってきます。広大な空き地や建物の前で、絶え間なくペンライトを振り回す作者の労力を想像すると、イマジネーションを定着するために払われた途方もない準備や努力に釘付けとなります。
巨大なプリントのほかに、8×10のコンタクトプリントが「お求めやすいお値段」になっていました。

大坂寛写真展 記憶の海
雑司ヶ谷のS3ギャラリーは、ことしの3月に岡崎正人氏の展示で伺った新しいギャラリーです。
8×10ネガをプリントするために、引伸し機を自作するというエネルギーも相当なもの。ただ、それ以上にあえて荒天を選んで撮影した海は、荒々しさよりどこか夢幻的な静けさが感じられます。

二つの展示をみて、写真のテーマの見つけ方、その掘り下げ方に無限の可能性があると再認識した次第です。