写真美術館で開催中の「コスモス 写された自然の形象」「須田一政 凪の片」、六本木AXISの「ゼラチンシルバ―セッション」をめぐってきました。 どれも一見に値する展示です。
「写された自然の形象」は、コレクション展三部作の最後を飾るもので、自然を形成するといわれていた元素「木火土金水」によるテーマわけがなされています。
「木」のなかでは石元泰博の桂離宮が、「金」では篠山紀信の「スパナ」がとりわけ印象に残りました。
桂離宮の写真は厳格な構図のなかに心地よいリズムがあり、何回見ても飽きることがありません。 最近やっと「石元泰博 写真という思考」を読み終えたのですが「オコリンボー」と恐れられたという写真家の気迫が伝わってくるようです。
「スパナ」は、たしかカメラ毎日に連載された仮想広告写真シリーズの一点でした。 人気のないビル街の道路に置かれたモンキーレンチが超広角で捉えられています。 とくに作者の代表作というわけではないのでしょうが、そのギラリとした存在感が独特です。はるか昔に観たことが記憶のそこからよみがえってきました。
二階に降り「凪の片」に入ると、まず風姿花伝に圧倒されます。 スクエアサイズに極めてシャープに切り取られた祭りの人々の存在感は、ダイアン・アーバスにもみられる、どこか別の世界のもののようです。 見慣れたものを未知のように描く写真家の視点がすばらしい。
地下鉄で恵比寿から六本木に移動。
アクシスの四階で今年もゼラチンシルバーセッションの展示が開かれています。 以前に比べて、より銀塩写真らしい作品が多くなったようで楽しめました。 会場にはハーフサイズから20×24!という超大判までの白黒ネガが展示してありますが、これを見ると8×10などは小さいものだと感じてしまいます。
20日まで。
https://www.facebook.com/GelatinSilverSession
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