三鷹市美術ギャラリーでは、ときどき興味深い写真の展覧会が開かれます。
現在開催中の 「芸術写真の時代 塩谷定好展」もそのひとつでしょう。http://mitaka.jpn.org/ticket/160820g/
10月23日まで
この作家のことは初めて知ったので、ほとんど予備知識なしに観ることになりました。
19世紀末に生まれた塩谷は、アンセル・アダムスとほぼ同世代に属する写真家ですが、その作風は大きく異なります。
戦前の作品はピクトリアリズムの系譜に連なるものでしょう。初めて見る写真ばかりなのに、どこか懐かしく、既視感に襲われます。
キャプションにはすべてゼラチン・シルバー・プリントと書かれており、特に戦前の作品群はウォームトーンに統一されています。
唯一、「静物」と題された一点には珍しい手彩色が施されていますが、これはどこか岸田劉生の油絵を思わせる重厚な存在感を放っています。
印画紙を曲げたり傾けたりして画像を歪ませたと思える実験的な表現が何点かあり、同郷で少し後の世代となる植田正治に影響を与えたのかと想像されます。
食べ終えた鰯の骨を撮った写真は、作者の気迫を感じさせるものでした。
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2016年9月29日木曜日
藤田修 フォトポリマー グラヴュールの作品展
吉祥寺駅から公園通りを少し歩くと、ギャラリー惺(さとる)があります。 入り口は地下一階でうっかりすると見逃してしまいそうですが、内部は白一色で清潔な感じの空間になっています。
http://gallerysatoru.com/
ここで開催中の藤田修 Lost Timeを観てきました。 (10月2日まで)
フォトポリマー グラビュールという版画技法で、写真を元にした画像を雁皮紙に刷ったものです。
ギャラリーの真っ白な壁に展示された作品は、雁皮紙のもつ柔らかな風合いと色味がひときわ際立つようです。
作品は西洋の室内を思わせる闇を基調とした絵で、わずかなハイライトまでのグラデーションが美しく描写され、タイトルや作家のステートメントにあるように過ぎ去った時間を感じさせるものでした。
同じ建物の上階には保久良(ほくら)珈琲という落ち着いた喫茶店があり、この2軒に立ち寄るだけでも吉祥寺を散策する価値があります。
http://gallerysatoru.com/
ここで開催中の藤田修 Lost Timeを観てきました。 (10月2日まで)
フォトポリマー グラビュールという版画技法で、写真を元にした画像を雁皮紙に刷ったものです。
ギャラリーの真っ白な壁に展示された作品は、雁皮紙のもつ柔らかな風合いと色味がひときわ際立つようです。
作品は西洋の室内を思わせる闇を基調とした絵で、わずかなハイライトまでのグラデーションが美しく描写され、タイトルや作家のステートメントにあるように過ぎ去った時間を感じさせるものでした。
同じ建物の上階には保久良(ほくら)珈琲という落ち着いた喫茶店があり、この2軒に立ち寄るだけでも吉祥寺を散策する価値があります。
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