日本写真芸術協会が開催する第4回写真プリント研究会を聴講することが出来ました。
鈴木孝史先生「黒白銀塩写真に魅せられて」 2023年2月25日 14~16時 JCIIビル6階会議室
学生時代から銀塩写真に親しんだ鈴木先生の、「写真」への愛情が滲み出た講演をたっぷり2時間聴くことが出来ました。
Tri-X万能の時代、印画紙は月光の3号が標準、ヨドバシカメラの黄色い値段表を穴が開くほど眺めたことなど、一定の年齢のひとにはまさに「あるある」の話題ばかりです。
「写真はプリントで評価されるべき」「良いプリントを制作するためにはハッキリとしたイメージ再現の目標を持つこと」という基本的な考え方にたち、様々なフィルム、印画紙、現像薬品を試した成果も見せていただきました。
その作例を見ると、普段おなじみのフィルムや現像薬品を使っても全くレベルの違うプリントに仕上がっていることに驚かされます。35mmから16×20にプリントした作品を見ても、階調性や粒状性などが、ブローニーかそれ以上のフォーマットで撮ったかのような仕上がりになっています。私たちがいかに素材の性能を使い切っていないのかを思い知らされました。
そのほか、鈴木先生がプリンストン大学でPeter Bunnel教授について現代アメリカ写真を研究した時のエピソード、日本ではなぜ「写真」が芸術として評価されてこないか、などなど興味深い話題が尽きませんでした。
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