神田小川町でさる大家の写真展を観た後、久しぶりに古書店街を歩いていると、アンドレアス・ファイニンガーのThe Creative Photographer が目に留まりました。 相当くたびれたハードカバーの洋書ですが1500円なので迷わず購入しました。
40年以上昔の「カメラ毎日」誌に「ファイニンガーの完全なる写真」という連載があり、写真についての明快な解説と印象的な作例写真がいまでも脳裏に残っています。 このThe Creative Photographer は、この元記事とは少し違うようですが、掲載されている写真は多くが重複しており、大変懐かしいものでした。
植草甚一の気分で喫茶店に入り、ぱらぱらとページをめくると、前書きの最後にこんな記述がありました。
「この本は、自動的に有意義な写真を撮れるようになるルール集ではありません。 そんな本は存在しません。(略) なぜなら創造的な心はルールによる制約を嫌うからです。
芸術的ではない人は創造の原則を応用することができませんが、それは極端であって、ほとんどの人はある程度の才能があります。 そのような潜在的な、従って無自覚な才能は刺激的な作例で目覚めさせ、発展させることができます。」
This book is not a collection of rules which automatically leads to the production of meaningful photographs. Such a book does not exist. --- For the creative mind abhors the restriction of rules.
And the inartistic person is incapable of applying creative principles. But this is an extreme. Most people are talented to some degree. Such talents, latent and therefore unrecognized, can be aroused and developed by stimulating examples.
1955年、もう60年も昔の本ですが、作例といい考え方といい、少しも古びていないようです。 すこしばかり元気付けられてスタバをあとにしました。
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