村越としやという写真家が気になっています。
福島県に生まれ、県内の静かな風景を大判で撮った作品を発表しています。
説明がなければそれとは気づかない写真。 しかし、その眼差しは大きな災厄に見舞われた土地の記憶へと注がれています。
三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで開催中の「写真とことば、記憶の種」(6月8日迄)と、新宿御苑ちかくのプレースMで開かれていた「リフレクション展」(5月25日で終了)を巡って、その奇をてらわないストレートな表現に、写真の本来持つ可能性を再確認できたような気がします。
そして、プレースMの会場のパネルに掲げられていた倉石信乃氏の長文のコメントに「風景とは何よりもまず政治的である。」という一節をみたとき、一瞬にして四十年前にタイムスリップしてしまいました。 そう、大切な物は目に見えない、それを可視化することが優れた写真なのだと。
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