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2014年9月26日金曜日

Jeanloup Sieff写真展 『美の視点』

最近、展示される機会が多いジャンルー・シーフですが、銀座四丁目のアートギャラリーM84にはじめてお邪魔しました。 (9月27日まで) http://artgallery-m84.com/

 個人的には、かつて「カメラ毎日」誌上で大辻清司氏が解説していた「ジュディー」が最も気に入っています。 今回も会うことが出来ました。

舞台装置は白い壁と木の丸テーブルだけという最小限の設定。 テーブルを挟んで正面に座るジュディーと、一緒にコーヒーを飲んでいるような、そんな気持ちにさせてくれる一枚です。

帰り際、GIPの倉持社長から、10月に目黒のコスモスでコレクション展IIを開催するので、ぜひ来てほしいとDMをいただきました。
10月7日(火)~12日(日)、パーティは初日の18時半ということでした。

土居慶司氏 磁器写真展



土居慶司氏が横浜 関内駅近くの吉田町画廊で「磁器写真展」を開催中です。(9月28日(日)まで) http://www.yoshidamachi.net/?cat=5


10x10cmの純白のタイルに、カーボントランスファーという技法で転写された写真は、今までに拝見したイメージもあるのですが、想像以上に階調も豊富で美しいものでした。
お話を聞くと、大変な試行錯誤の上に開発できたプロセスということでした。 高温で焼成されたイメージは有機物を含まない究極のアーカイバルプリントでしょう。 単に保存性だけではなく、そのイメージのクオリティの高さは研究熱心なエンジニアとしての土居氏の面目躍如といったものでした。
つい1時間以上もお話を伺ってしまいました。

2014年9月23日火曜日

Matthew Pillsbury 写真集



http://matthewpillsbury.com/works/city-stages/ヒルサイドフォトフェアで知ったMatthew Pillsbury の写真集 City Stages が手に入りました。
ギャラリーの話では「この作家は人気がうなぎのぼり」なのだそうです。

8x10を使い、都会、ホテルの一室、博物館や美術館などで撮られたイメージはどれも長時間露光で、人の姿は幽霊のようにぼやけています。 その反面、モノの存在感は際立っています。
ルーブル美術館のモナ・リザ、博物館の化石や骨格標本など、永遠の命をもつ物質の前で、生身の人間はその存在も不確かなように見えてきます。 室内でパソコンやテレビを見つめるひとも、虚ろで真っ白な画面と同様、希薄な存在に過ぎなくなります。
しかし、ページをめくっていくと、その存在感が薄い人間の活動が文化を築いてきたということに思いがいたります。 イメージの美しさと、そんなことを考えさせる着想が人気の理由なのでしょうか。

作家のホームページを見ると、来日して撮ったカラー写真も多く載っています。 観光名所ばかりでなく、拙宅近くの公園も登場していて、少し驚きました。
みなれた風景を異世界のように撮る、そんな試みもしてみたくなります。

Fujinon W 180mm f5.6




8x10のカメラを手に入れてから、接写を除いて300mmばかり使ってきました。 すこし広角レンズもほしいと思ってネットで調べていると、フジノンW180mm f5.6の旧タイプがぎりぎり8x10をカバーするという情報を見つけました。これなら多少四隅が切れても広角らしい描写が期待できそうです。 新旧タイプの見分け方は、レンズ名などがネーム環(正面から見えるレンズ周りの部分)に書いてあるものが旧タイプ、鏡筒の外周に書いてあるものが新タイプだということでした。
デパートで開催していたクラシックカメラ市で探しても新タイプばかりで、 店員にきいても、「ネットの情報は間違いが多いですよ・・・」と懐疑的なご意見です。

ヤフオクに登録して待つことしばし、ようやくみつけて13,000円ほどで落札できました。(ちょっと高め!)
品物が届いてみると、シャッターの取り付けリングがなく、これも探し回ってワイズクリエイトで入手。
レンズボードは東急ハンズで買ったパドックという赤い材木と真鍮板で自作し、ようやく格好がつきました。
ピントグラスから覗いてみると、確かに四隅はぎりぎりでほとんどライズする余地はなさそうです。 4x10のパノラマでも良いか、と思っているこのごろです。

2014年9月21日日曜日

村越としや写真展

吉祥寺美術館で9月20日から 村越としや写真展 「火の粉は風に舞い上がる」が開催されています。(11月3日まで) http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/

写真家の郷里である福島を撮った白黒の大判プリントが中心の展示です。
「火の粉は・・・」というタイトルから連想される内容とは異なり、所々に雪が残る静かな山村の風景が淡々と捉えられています。 登場する生き物は雄牛だけで、人の姿は殆どありません。

いくぶん迷路のように仕切られた展示室を歩きながら、大きなプリントを見ていると、「大切なものは目に見えない・・・」という言葉をゆっくり思い出します。
ただ、少し残念なのはせっかくのゼラチンシルバープリントの出来にムラがある点でしょうか。
同じ作品をパンフレットで見るほうが、ずっと調子がよいと感じられるものもありました。

10月25日には平間至とのトークショーがあるそうです。(要予約)
入場料は100円。 常設展示・浜口陽三のメゾチントも必見です。

2014年9月14日日曜日

ジョック・スタージス写真展


 ゾーンシステム研究会の例会後、有志が日本橋大伝馬町のみうらじろうギャラリーで開催中のジョック・スタージス展にお邪魔しました。

 ジョック・スタージスは8×10で撮った自然のままの人物写真が有名ですが、今回はライカS2という中判デジタルカメラで撮影したものもあるそうです。 展示されているインクジェットプリントではほとんど区別ができませんでした。

 スタージスの写真展は中国でも開催されたのですが、韓国では開けなかったそうです。 また、現在では愛知県方面で写真の展示をめぐって明治時代を髣髴とさせる騒ぎが起きているようで、これらのトピックを比較すると、その国の文明開化の度合いと見かけの先進性とは相関しないように思えてきます。


 会場ではローライフレックスの「ジョック・スタージスモデル」なる特別版も販売されています。 コレクターズアイテムに最適とのことでした。 ちなみにお値段は83万1600円、ちょっと持ち合わせが足りませんでした...

ローライフレックス ジョック・スタージスモデルを手にするみうらじろう氏


2014年9月8日月曜日

Ray McSavaney 写真集

http://www.raymcsavaneyphotography.com/index.htmlJohn Sextonからのニュースレターで、このRay McSavaney のことを知りました。
かつてセクストンのワークショップを手伝ったこともある写真家で、この7月に亡くなったのだそうです。 その遺作などを維持管理するために、20年ほど前に出版した写真集を買ってほしいという内容でした。

作品をホームページで見ると、被写体はセクストンの作品でもよくお目にかかる風景が多いのですが、ありふれたスコップや工場のドア、高速道路のコンクリートなどが独特の光を放っているように感じられます。

早速本を取り寄せ、しばらくはゆっくり眺めています。

ヒルサイドテラス フォトフェア



オサレな代官山で「ヒルサイドテラス フォトフェア」なる催し物が開かれました。 たまたまチケットを頂いたので、最終日の午前中に出かけてみました。 http://hillsideterracephotofair.com/about.html
 
写真を扱うおなじみのギャラリーや書店、出版社などが出展しています。
 
見慣れた大家の作品も多く展示されているのですが、思わぬ出会いも楽しいものです。Matthew Pillsbury という作家は始めて知りましたが、シャープに捉えられた都会の夜景と、ぶれた人影がとても美しく魅力的です。
思わずお値段を聞くと、「プラチナプリント6点と写真集のセットで100万円です。」 と、こともなげに教えていただきました。 ちょっと持ち合わせが・・・  写真集 City Stages はAmazonで6千円強なので、早速注文。 到着が楽しみです。