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2016年2月20日土曜日

「自然の鉛筆」を読む

写真の発明から現在に至るまで、その技術の発達はより早く、容易に画像を記録することだったと改めて思い起こさせる、そんな展示が横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中の「『自然の鉛筆』を読む」でした。(2月21日まで)

当時のプリントばかりではなく、カメラルシダ、カメラオブスキュラから様々なカメラや現像器具など、現在見てもそれほど変わらないもの、逆に何に使うのか見当もつかないものなど、アナログ写真に関するものを網羅したコレクションの展示が楽しめます。
今では写真を撮ることにだれも不思議を感じないのですが、それも200年近い工夫や発明の積み重ねがあってこそのことでしょう。

ただ、あまりにも内容が膨大なせいか、係のご婦人に「カロタイプは引伸ばしプリントが出来たのですか?」という極めて初歩的な質問をしても即答が難しいようでご迷惑をかけてしまいました。
できれば簡単な技術史年表のようなものも展示していただけると、こちらの頭の整理にもよかったと思った次第です。

2016年2月15日月曜日

広川泰士 TIMESCAPES 2016

西巣鴨の大正大学にある「エスパス空(くう)」で、広川泰士氏の写真展を観ました。
この施設は一年ほど前にオープンしたそうですが、私は今回はじめて訪れました。
http://taisho-kuu.tokyo/

大正大学というと仏教系の学校という認識しかなく、写真展などとはあまり縁がないように想像していたのですが、一歩足を踏み入れると写大ギャラリーにもひけをとらない落ち着いて写真の鑑賞が出来るスペースでした。

広川氏のTimescapesシリーズは何回か観ているのですが、会場の照明をぎりぎりまで落とし、目が慣れるまではキャプションさえ読めないほどの環境では、巨大なプリントに悠久の時の流れをより強く感じることが出来ます。 「くう」とは仏教用語から名づけたそうですが、何億年もの時間を表現したコンセプチュアルな作品にふさわしい名と環境です。
月の満ち欠けをビデオで表現した「月齢」も、ゆっくりと楽しむことが出来ました。