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2023年2月26日日曜日

鈴木孝史先生講演 「黒白銀塩写真に魅せられて」

 日本写真芸術協会が開催する第4回写真プリント研究会を聴講することが出来ました。

鈴木孝史先生「黒白銀塩写真に魅せられて」 2023年2月25日 14~16時 JCIIビル6階会議室

学生時代から銀塩写真に親しんだ鈴木先生の、「写真」への愛情が滲み出た講演をたっぷり2時間聴くことが出来ました。

Tri-X万能の時代、印画紙は月光の3号が標準、ヨドバシカメラの黄色い値段表を穴が開くほど眺めたことなど、一定の年齢のひとにはまさに「あるある」の話題ばかりです。

「写真はプリントで評価されるべき」「良いプリントを制作するためにはハッキリとしたイメージ再現の目標を持つこと」という基本的な考え方にたち、様々なフィルム、印画紙、現像薬品を試した成果も見せていただきました。

その作例を見ると、普段おなじみのフィルムや現像薬品を使っても全くレベルの違うプリントに仕上がっていることに驚かされます。35mmから16×20にプリントした作品を見ても、階調性や粒状性などが、ブローニーかそれ以上のフォーマットで撮ったかのような仕上がりになっています。私たちがいかに素材の性能を使い切っていないのかを思い知らされました。

そのほか、鈴木先生がプリンストン大学でPeter Bunnel教授について現代アメリカ写真を研究した時のエピソード、日本ではなぜ「写真」が芸術として評価されてこないか、などなど興味深い話題が尽きませんでした。

2023年2月25日土曜日

山下誠二写真展

 久しぶりに銀座の街を歩くと、少し前には見かけなくなっていた外国からの観光客がずいぶんと増えているように感じます。

その銀座三丁目のNICHE GALLERYで開催された山下誠二写真展の最終日にお邪魔しました。

入口です  

うっそうとした森、雪が吹き付ける岩山など、ほとんどモノクロームとも思えるイメージです。手すき和紙の職人に何度も試作を繰り返してもらい、ようやく自分のイメージを定着することができたという、こだわりのプリントが並んでいます。
作者は最近、精力的に個展をひらいていて進境著しいものをお見受けしました。
これからの展開も楽しみです。






2023年2月20日月曜日

コンパクトな濃度計 Printalyzer Densitometer (1)

先週の例会で濃度計について紹介させていただきました。ipadで録画されており緊張したせいか?あまり上手に説明できなかったため、ブログでリベンジさせてください(笑)。

例会でいただいた主な質問は以下のとおりです。

1)販売店はどこですか?
2)製造国はどこですか?
3)価格はいくらでしたか?
4)キャリブレーションできますか?
5)反射光も対応しますか?
6)相対的な濃度を測れますか?
7)電源はなんですか?
8)ボディは3Dプリンタ製ですか?

順番に答えていきます。
1)販売箇所はメーカーのwebサイト(https://www.dektronics.com)です。
   メーカーによるとその他で扱いはないそうです。
2)メーカーの住所はアメリカです。アメリカ カルフォルニア州で組み立てをやっているようです。組み立ての様子がビデオで公開されています。
3)価格は$299でした。決済手段はPaypalが使えたのでそれを使いました。
   (普通のクレジットカードもあったはず・・)
  発送はUPS(国際宅配便)かUSPS(郵便)どちらを選択する形でした。
  日本への送料はUPSのほうが若干安く$54でした。そのため決済額は$353でした。
  $353は現在のレートだと4万5000円程度ですね。(微妙・・)
  1週間ほどで、ヤマト運輸が届けてくれました。消費税として2100円徴収されました。
  SilverSaltで売っている濃度計は10万を超え使用頻度を考えると非常に高価に感じる価格なので、それとくらべると安価ですが、同じデジタルガジェットであるスマホが数万で買えることを考えると「安い」と感じる値段でもなく微妙な値段ですね。
他の濃度計にない、1)置く場所に困らない、2)モバイルバッテリーがあれば貸し暗室等に持っていくことも可能で「印画紙の号数選択に迷わないでも済む」、というニッチなところに価値を感じるかですね。
4)すでにキャリブレーションされた状態で出荷されています。
   キャリブレーション結果はQuickStartGuideにシールが張ってあります。
   自分でキャリブレーションを行うことはもちろん可能で、その時に使う反射原稿、透過原稿も付属します。
5)透過光だけでなく反射光も対応します。モードボタンで測定モードを切り換えします。
6)すぬけのネガを0として、相対的な濃度を測ることが可能です。
7)USB-TypeCの端子(入力は5V 150mAでした、ダイソーで売っているUSBコンセントで大丈夫かとおもいます。)がついており、そこから電源供給されます。据え置き型濃度計は家庭用コンセントが必須でしたが、これはモバイルバッテリーがあれば、コンセントは不要です。内蔵バッテリーはないため、単体では使えません。
8)メーカーによるとレンズ部の白いキャップは3Dプリンタ製だそうです。本体のプラスチック部分は3Dプリンタ特有の縞模様はみえません。3Dプリンタは進歩しているので、断言はできないです。

まだ実戦使用はしていないため、あまり詳しい話しはできないのですが、後日アップデートしたいとおもいます。
Webサイトに日本語の説明書はないのですが、メーカーに問い合わせたところ、今のところ翻訳版の提供予定はないそうです。また、ボランティアで日本語に翻訳したマニュアルをブログに掲載することの可否を確認したところ、問題ないという返事だったので、Web提供されていない、QuickStartGuideの翻訳を添付しておきます。(この記事をごらんになった、メーカーの方から、文書のファイルをいただきました(ありがとうございました。)。それをベースに作り直しました。)
2023/3/12更新:詳細マニュアルの翻訳を追加しました。











非公式QuickStartGuide(日本語)