「人間はなぜ美を感じるのか?」と、帯にあるこの本をようやく読み終えました。
(V.S.ラマチャンドラン著 山下篤子訳 角川書店)
最近の脳神経科学の様々な所見から、人間の自己とは何かについて考察した大著です。
冒頭の問いにストレートな回答が用意されている訳ではありませんが、私が以前から疑問に思っていた「カラー写真より白黒が美しく感じることがあるのはなぜだろうか?」ということには重要なヒントがありました。 本書によれば「スケッチの方がフルカラー写真より効果的なのは、脳に注意のボトルネックがあるからかもしれない」(313ページ)ということです。
省略や強調が大切なことは今更言うまでもないことですが、それらの経験則に科学的な実証の光が当てられつつあることに、大きな期待と若干の不安を感じました。
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2013年10月24日木曜日
2013年10月20日日曜日
半切印画紙
半切(14×17)のイーグルVCFBを買おうとヨドバシへ行ったところ、なんと次回入荷は来年1月との表示! 目前の写真展に使おうと思っていたので焦りました。 18×22は店頭にあり、大は小をかねるのでやむを得ず購入。(値段は倍近くします)
帰ってからサイバーグラフィックのWebを見ると両方とも在庫切れの表示でした。
バライタの半切はほとんど選択の余地が無いので、土壇場の在庫切れは本当に困ります。
まあ、発売中止にならないだけありがたいと思わなければならないようですが...
帰ってからサイバーグラフィックのWebを見ると両方とも在庫切れの表示でした。
バライタの半切はほとんど選択の余地が無いので、土壇場の在庫切れは本当に困ります。
まあ、発売中止にならないだけありがたいと思わなければならないようですが...
2013年10月14日月曜日
恵比寿から六本木
写真美術館で開催中の「コスモス 写された自然の形象」「須田一政 凪の片」、六本木AXISの「ゼラチンシルバ―セッション」をめぐってきました。 どれも一見に値する展示です。
「写された自然の形象」は、コレクション展三部作の最後を飾るもので、自然を形成するといわれていた元素「木火土金水」によるテーマわけがなされています。
「木」のなかでは石元泰博の桂離宮が、「金」では篠山紀信の「スパナ」がとりわけ印象に残りました。
桂離宮の写真は厳格な構図のなかに心地よいリズムがあり、何回見ても飽きることがありません。 最近やっと「石元泰博 写真という思考」を読み終えたのですが「オコリンボー」と恐れられたという写真家の気迫が伝わってくるようです。
「スパナ」は、たしかカメラ毎日に連載された仮想広告写真シリーズの一点でした。 人気のないビル街の道路に置かれたモンキーレンチが超広角で捉えられています。 とくに作者の代表作というわけではないのでしょうが、そのギラリとした存在感が独特です。はるか昔に観たことが記憶のそこからよみがえってきました。
二階に降り「凪の片」に入ると、まず風姿花伝に圧倒されます。 スクエアサイズに極めてシャープに切り取られた祭りの人々の存在感は、ダイアン・アーバスにもみられる、どこか別の世界のもののようです。 見慣れたものを未知のように描く写真家の視点がすばらしい。
地下鉄で恵比寿から六本木に移動。
アクシスの四階で今年もゼラチンシルバーセッションの展示が開かれています。 以前に比べて、より銀塩写真らしい作品が多くなったようで楽しめました。 会場にはハーフサイズから20×24!という超大判までの白黒ネガが展示してありますが、これを見ると8×10などは小さいものだと感じてしまいます。
20日まで。
https://www.facebook.com/GelatinSilverSession
「木」のなかでは石元泰博の桂離宮が、「金」では篠山紀信の「スパナ」がとりわけ印象に残りました。
桂離宮の写真は厳格な構図のなかに心地よいリズムがあり、何回見ても飽きることがありません。 最近やっと「石元泰博 写真という思考」を読み終えたのですが「オコリンボー」と恐れられたという写真家の気迫が伝わってくるようです。
「スパナ」は、たしかカメラ毎日に連載された仮想広告写真シリーズの一点でした。 人気のないビル街の道路に置かれたモンキーレンチが超広角で捉えられています。 とくに作者の代表作というわけではないのでしょうが、そのギラリとした存在感が独特です。はるか昔に観たことが記憶のそこからよみがえってきました。
二階に降り「凪の片」に入ると、まず風姿花伝に圧倒されます。 スクエアサイズに極めてシャープに切り取られた祭りの人々の存在感は、ダイアン・アーバスにもみられる、どこか別の世界のもののようです。 見慣れたものを未知のように描く写真家の視点がすばらしい。
地下鉄で恵比寿から六本木に移動。
アクシスの四階で今年もゼラチンシルバーセッションの展示が開かれています。 以前に比べて、より銀塩写真らしい作品が多くなったようで楽しめました。 会場にはハーフサイズから20×24!という超大判までの白黒ネガが展示してありますが、これを見ると8×10などは小さいものだと感じてしまいます。
20日まで。
https://www.facebook.com/GelatinSilverSession
2013年10月13日日曜日
東京8x10写真展
12日の例会が終わったあと、有志数人で東京8x10写真展を訪れました。 例年の麻布から目黒の区民ギャラリーに会場が変わり、広々としたモダンな展示になっています。スポットライトもLEDになり、ハロゲンランプで苦労した色むらが解消したということでした。 (14日まで) http://tokyo8x10.org/
ゼラチンシルバープリント大伸ばしという正統派から、ピンホール写真、湿版写真、16×20ネガを使ったプラチナプリント、液晶パネル用のカラーフィルターを白黒フィルムに密着して撮影した現代版オートクローム等等、皆さんがこだわりの技術を追求した結果を発表しており、さながら写真技法の博覧会という様相を呈しています。

特に湿版写真は、数年前に比較すると表現の内容を追求できるレベルにまで進化してきたようです。
それぞれの技術の特徴や撮影の苦労話などを伺っていると、あっという間に時間がたってしまいました。 「どっこいフィルムも生きてる」という希望がもてる展示でした。
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