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2017年11月30日木曜日

必見 アンセル・アダムス展

 六本木のフジフイルム・スクエアで開かれているアンセル・アダムス展は12月6日までです。アダムスのオリジナルプリントをこれほどの規模で観られるのは、1999年の日本橋三越、2006年の名古屋ボストン美術館以来のことでしょう。

 オリジナルプリントを見るだけでなく、各所にちりばめられたアダムスのメッセージにも背中を押されたり、頭をたたかれたりします。
なかでも
「写真は撮るものではない、創るものだ。 You don't take a photograph, you make it.」
「プリントだけが作家の意図とメッセージを表わしている。」という言葉には改めてアダムスの意思を強く感じます。


 研究会の写真展を前に、プリントに行き詰った会員は(そうでない人も)必見であると強くお勧めします。必ず大きな刺激をもらうことでしょう。プリントの完成度の高さばかりでなく、それを仕上げるために払われた努力の大きさがが伝わってくる展示です。
観おわってからクリスマス一色になってる街を歩いて六本木ヒルズへ。ドイツのマーケットを再現したという一角で、ソーセージやチョコレートなどで一服しました。

2017年11月28日火曜日

Adobe Max 2017

アナログ写真の研究会ブログにはふさわしくないかもしれませんが、Adobeの展示会に行ってみました。パシフィコ横浜に来るのは春のCP+以来です。

ソフトウエアの機能は激しく変化(進化ともういらしい)しているので、中々ついていけません。今回の目的もそこにあり、Photoshopについて調べても判らないことが、詳しい人への質問でようやく腑に落ちました。
 いろいろと話をしていく中で、「白黒の画像データをPCなど様々な環境で見せる場合、カラー情報を捨てた純粋に白黒のデータにするより、カラー情報を残しておくほうが見え方に差が少ない」とは目から鱗の話。判らないことは詳しい人に対面で聞くのが最も効率がよい、というのが今日の教訓です。
3時過ぎに会場を出ると、朝からの曇り空に光がさしてきました。

2017年11月25日土曜日

写真プリント研究会

 日本写真芸術学会の「写真プリント研究会」を初めて聴講しました。会場は中野坂上の東京工芸大学です。講演は学会長の内藤明先生で「プリント雑感」。会場に入るとおなじみの顔もあって安心します。

開会の挨拶では、写真の発表形態が多様化する現代にはプリントのクオリティがおろそかになる例も見られるので、写真プリントに関するセミナーを開催するに至ったということでした。

内藤先生のお話は銀塩プリントに関するきわめ広範な内容で、階調表現、濃度に関すること、多階調印画紙の特性や実例、トーニング、現像や定着条件の及ぼす影響、ネガと印画紙のマッチング方法、引伸ばし機の調整方法に至るまで、正直言って、ついていくのが難しいほどの盛りだくさんでした。

中でも興味深かったのは「主観的階調表現」という項目。どのような画像表現を好ましいと思うか、多くの人の好みを分析して感光材料の特性を決めたという件でした。過去には随分と詳しい研究もされたらしいので、いずれもっと詳しいお話を聞き、自分の表現に活かしたいと思いました。


2017年11月19日日曜日

プリント指向という写真展

高田馬場にあるギャラリー Alt_Medium でグループ写真展 hamadayama tune 2017 を観ました。ステートメントによれば、写真というメディアのなかで、とりわけプリントという媒体を重視し、「print oriented (プリント指向)」をキーワードにして制作したということです。 (11月28日まで http://altmedium.jp)
電子媒体による表現が盛んになるなかで、プリントという「モノ」の重要性を主張する展示は貴重なものになりつつあるようです。
従来からの写真表現に沿った、いわば「安心して」見られる作品ばかりでなく、作者の意図を俄には理解しづらいコンセプチュアルなプリントもあり、バラエティに富んでいます。

つぎに中野坂上の写大ギャラリーで 橋口譲二写真展「Individual—日本と日本人」を観ました。夕暮れ近く、観客は私の前に2人ほどいましたが、30分経っても誰も帰らず、最後に入った自分が最初に出ることとなりました。それほど見ごたえのある展示です。http://www.shadai.t-kougei.ac.jp/index.html

展示室に入ると、17歳から始まって100歳を超える老人たちまで、日本各地の人々が、真正面からこちらを凝視しています。静かなのに圧倒的な存在感です。
市井の人々を撮った写真としてはザンダーを思いうかべることもできますが、分析的で、標本のように感じらるそれとは異なる印象です。
キャプションには被写体となった人々の姓名から生年月日、今朝食べたものなどが逐一書かれており、この人たちが歩んで来た人生と、その後はどうなっただろうか、などという想像も膨らんできます。

で、すっかり夜になった東京を離れて横浜へ。
還暦を迎えた以前の仕事仲間のお祝いパーティに参加しました。主賓は慣例の赤いチャンチャンコを着せられています。

宴も終って記念撮影ということになり、会場係に撮影を頼みました。タブレットで撮られた写真はプリントされることもないでしょうね。