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2020年4月26日日曜日

アンセル・アダムスの記事 2

ゴールデンウィーク(NHK辞書では大型連休)改めステイホーム週間となり、外出もためらわれるご時世ですが、先週の記事に続き、日経ではアダムスが取り上げられています。今回は自然保護活動やマンザナー収容所などのエピソードが主となっていますが、2回で終わるのは大変もったいない内容です。

今回大きく取り上げらているのは「月とハーフドーム」ですが、手元にある8×10のスペシャルエディションと並べると、原寸で印刷されていることがわかります。(新聞印刷の方が黒が締まって見えますが、これは額に入っているアクリルのせいです。)
新聞の複製を改めて眺めると、いままであまり気にしていなかった右手前の闇に浮かぶ樹々もコンポジションとして極めて重要だと気付きました。

紙面で最後に紹介されているのはゆで卵や牛乳瓶を撮った「静物」。さすがに殻のついた卵と剥いたものの質感の違いを新聞で再現するのは少し厳しいようです。

LensWorkのBrooks Jensen はPhotographing at Homeと題したブログで、歴史上重要な写真作品の多くは自宅で撮影されたもので、身近な人やものを観察して作品にすることは、パンデミックの時に限らず常に大切なことだ、と指摘しています。
https://vimeo.com/405170335/4bbcb4523a


2020年4月23日木曜日

アダムスの命日

後から気が付いたのですが、今年の4月22日はアンセル・アダムスの没後36年にあたりました。仏教でいうところの三十七回忌ですね。

アダムスが亡くなった1984年にはもちろん民生デジタルカメラは存在していませんでしたが、ソニーがスティルビデオを発表したのは1981年でした。当時はフィルムのいらないカメラとして話題になりましたが、アダムスは来るべき電子画像の時代を予見していたとしても不思議はありません。
The Negative の序文(1981年)には「私は新しいコンセプトとプロセスを心待ちにしています。電子画像が大きく進歩することを信じています。それは固有の特徴を持つでしょうが、アーティストや職業写真家は理解し、コントロールするように努力するでしょう。」と書いています。


ところで先日、サフィ・バーコール著「ルーンショット」という本を読みました。(三木俊哉訳 日経BP)経営戦略の本で、写真とは直接関係がないのですが、興味深いことに、アダムスも登場します。
ポラロイドを発明したエドウィン・ランド博士とアダムスの交友は有名ですが、ランドは誰よりも早く、軍事技術としてのデジタルカメラ技術に注目していたというのです。だとすると、アダムスは私たちの想像以上に電子画像技術に詳しかったのではないか、そんな空想も膨らみます。

2020年4月20日月曜日

アンセル・アダムスの記事

4月19日(日)の日経朝刊にアンセル・アダムスの記事が載っているという情報を会員のKさんから聞き、あわててコンビニに走りました。新聞を一部だけ買うのに初めてクレジットカードを使いました。

記事は「美の粋」という両面見開きのシリーズで「偉大なる風景写真 アンセル・アダムス(上)」。記者はカリフォルニアのカーメルにあるアダムスの暗室まで取材するという、近年まれな本格的な紹介です。有名な「ヘルナンデスの月の出」を例に、アダムスがいかにプリントづくりに時間とエネルギーを使ったかをていねいに書いてあるのでとても参考になります。

そういえば4月18日の朝日書評欄では「永遠のソール・ライター」が取り上げられ、評者はアプリなどによって「写真」が「光の絵」であることを多くの人が認識するようになっていると指摘しています。
日本ではドキュメンタリーが写真の本流という意識がいまだに強いようですが、テクノロジーによってそのような傾向も変わってくるのでしょうか。

研究会の有志でアダムスの暗室を訪れたのは2005年のことで、もう15年も経ちました。新聞で見る限り今も変わっていないようです。
日経の来週の記事が楽しみです。

2020年4月1日水曜日

ほぼ無観客展示

研究会とは関係のない写真展ですが、職場のOB会写真展に参加しました。
会期直前に自粛要請などがあり、案内を出した方々にもあわてて連絡を取るなどしましたが、結局は主催者もほとんど在廊しない状態での開催となりました。


今日の撤収日に数えると、それでも数十名にはご来場いただいたようです。
同じ会場ではこのさきGW過ぎまでの展示はキャンセルとなっています。

なんとも異例ずくめの写真展でした。