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2022年7月25日月曜日
素晴らしかったルートヴィヒ美術館展
2022年7月2日土曜日
Double Platinum 久保元幸×杉野信也 展
東京の猛暑日も8日目となりました。モノクロームギャラリーレインで始まった「Double Platinum 久保元幸×杉野信也」展にお邪魔しました。(7/2~31の土日のみ開催)
会場にはプリンティングディレクターの久保氏がおられたので、いろいろとお話をきくことが出来ました。会場ではプラチナプリントに持っていた既成概念を覆される、漆黒をベースにした陰影の強いプリントが目に飛び込んできます。ネガを使わず、紫外線レーザーで焼き付けるという特殊な技術を使った、これが唯一のオリジナルプリントになるのだそうです。
デジタル技術で可能になるイメージのプロセスもあるそうで、「古典技法」などと呼ばれるオルタナティブ・プロセスも新たな技術と組み合わせることで、より表現の幅を広げる可能性があると感じました。
写真家は杉野信也氏という、不勉強ながら初めて知るお名前でした。カナダ在住で、プラチナに限らず、様々なオルタナティブ・プリントを手掛けているそうです。写真集を拝見すると、ゴシック・ロマン的な世界に引き込まれます。
光は満ちているのに陰は限りなく深い、ヴェニスはそんなイメージを喚起する場所なのでしょうか。
それにつけても、昨今のプラチナやパラディウムの高騰は大変なことになっているそうです。国際情勢がこんなところにも影響しているのですね。
2022年7月1日金曜日
岡崎正人写真展 「掌の残像」
猛暑が1週間も続き、外出にも命の危険が感じられる今日この頃ですが、中野のギャラリー冬青に岡崎正人写真展を観に行きました。(7月1日~30日まで)
作品はすべて横長のパノラマで統一され、不思議な光と陰に満ちています。どこか夢の中のようで、直線は湾曲し太陽も黒くぼんやりと輝いています。
撮影の種明かしを伺うと、使用したフィルムは歯科用パノラマレントゲンフィルムで、40年も前のものだそうです。とっくに期限は切れており、現像するとカブリがはげしく、ネガを見てもほとんどなにが写っているのかわからない。それを逆手にとって不思議な世界を表現するために、試行錯誤の連続にまる2年を費やしたと聞いて驚きました。
太陽が黒く写る「ソラリゼーション」はアダムスの作例にも登場しますが、望み通りの効果を出すための露出時間を求めたり、周囲が露出オーバーにならないよう撮影中に「覆い焼き」をするなど、完成した作品を見るだけではとうてい想像の出来ない努力があったそうです。
カメラは金属製ペンキ缶による手製で、広角撮影につかえるピンホール素材も各種探したとか。両面に乳剤が塗布されたレントゲンフィルムをムラなく現像するために、トレーに細工を施したそうです。どこか朦朧とした世界を仕上げるためにはメラから暗室処理まで独創やノウハウの積み重ねであることに作者の勢いを感じます。
来週は猛暑も少し治まりそうで、そうなれば暗室作業を再開できそうです。