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2023年7月19日水曜日

平塚美術館

 平塚美術館*1で「さとびとみやび 失われた理想郷を求めて」展(~9/3)*2 と
「造形作家 玉田多紀 ダンボール物語」展(~9/10)*3 が開催中です。

*1 平塚美術館はJR平塚駅からバスで数分です。小田急の伊勢原,秦野,本厚木からのバスもあるようです。(平塚以外からだと伊勢原からが便利みたいです。伊勢原から約9Kmです。降りるバス亭は運転手さんに聞いたほうがいいです。)
*2 https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00031.html
*3 https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00030.html

「さとびとみやび」展では濱谷浩の「裏日本」は7-8点展示されていました。濱谷浩さんは、東京の避暑地として有名だった大磯にお住まいだったんですね。初めて知りました。

藤田昭子の作品は中島先生の写真のほかにミニチュア(といっても大きい)や焼成を撮影したビデオなんかもありました。映像から多人数で焼いていく祭りのようなパワーを感じました。

同時開催の「ダンボール物語」展は巨大なダンボールでつくった生き物のファンタジー的な展示でした。小学生が目を輝かせてみてました。小中学生以下は無料なので、夏休みにお子さん、お孫さんをつれていくといいかも?

作品目録に作家の解説動画のQRコードが印刷してあり、ギャラリートークに参加できないことが多いので便利だとおもいました。

鈴木知之 MonoriuM展



ゾーンシステム研究会の会員でもある鈴木知之氏の個展 MonoriuMがギャラリーE&M西麻布で始まりました。(7月30日まで)

MonoriuMというのは、モノクロームの植物標本(Herbarium)という意味を込めた造語だそうです。

すべて縦位置に統一された、黒バックから浮き出るような植物たちの肖像が並んでいます。作者によれば、ハイコントラストとテクスチャを両立させるために粗粒子の表現を工夫したとか。

粒子の荒れ方は気に入った形になるよう、現像方法の試行錯誤を重ねた苦心の表現です。半世紀前に流行した「アレ・ブレ」などとは全く異なる表現を追求したという研究熱心に頭が下がります。

植物は、実際に生えている場所で黒バックを使い、光線状態を勘案しながら撮影したそうです。ブロスフェルトのように形の面白さを前面に出すだけでなく、生えている環境をも考慮した画面の構成になっているようでした。



2023年7月9日日曜日

写大ギャラリー 形あるもの、形なきもの

 7月8日の例会後、有志で写大ギャラリーの「形あるもの、形なきもの」展を見学しました。

東京工芸大学創立百年を記念した、卒業生の作品展示です。中島代表のプリント(Strange of Light)前では、作者による臨時のギャラリートークになりました。

また写大ギャラリー専門職員の深尾さんには展示について詳しい説明をしていただき、大へん有意義でした。入り口わきには本城直季による巨大な渋谷の写真(small planet)が掲げられ、会場に入ると田沼武能によってその60年前に撮影されたほぼ同じ場所の写真(渋谷駅前広場 1948年)が出迎えるという仕掛けです。歴史を伝える写真やコマーシャル写真などをぐるっと鑑賞すると、最後は大辻清司による実験的な作品で締めくくられます。

その後、ギャラリーの収蔵庫も見せてもらうことができました。20℃50%RHに保たれた庫内には入れませんが、無酸性ボックスに保存された膨大なプリントには圧倒されます。その庫内から展示スペースまで、外気にさらすことなく移せるという配慮も、写真プリントの貴重さを改めて認識させられました。
研究会のポートフォリオがこのコレクションに加えていただけたのは、名誉なことです。