村越としやという写真家が気になっています。
福島県に生まれ、県内の静かな風景を大判で撮った作品を発表しています。
説明がなければそれとは気づかない写真。 しかし、その眼差しは大きな災厄に見舞われた土地の記憶へと注がれています。
三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで開催中の「写真とことば、記憶の種」(6月8日迄)と、新宿御苑ちかくのプレースMで開かれていた「リフレクション展」(5月25日で終了)を巡って、その奇をてらわないストレートな表現に、写真の本来持つ可能性を再確認できたような気がします。
そして、プレースMの会場のパネルに掲げられていた倉石信乃氏の長文のコメントに「風景とは何よりもまず政治的である。」という一節をみたとき、一瞬にして四十年前にタイムスリップしてしまいました。 そう、大切な物は目に見えない、それを可視化することが優れた写真なのだと。
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2014年5月27日火曜日
2014年5月26日月曜日
応接間改造暗室をつくりました。
ゾーンシステムの講習を受け、4×5カメラを購入してから1年が経過しました。ゾーンシステムを続けるには、「フィルム現像」と「引伸ばしプリント」を自分で行なわなければなりません。これまでフィルム現像は深夜の風呂場で行い、学校の暗室にあるLPL 7700でべた焼だけを作っていました。不便なことこの上もありません。
そこで、家じゅうの壁紙を張り替え、フローリングなどのリフォームのついでに、(物置状態だった)8畳の応接間の一画を区切って暗室をつくりました。
この応接間改造暗室は5月12日に完成しました。しかし、出来上がりには全くの不満です。約4畳の暗室は、カーテンレールで仕切っただけですから、天井との間に隙間が生じてしまい、光が盛大に入ってきます。
そんな状態で、ベセラー45MTX、水洗器、暗室時計、イーゼルなどを、研究会とN先生から購入し、車で運び入れました。調整においでいただいたN先生も「これだけ光が漏れると、黒い紙でも貼るしかないね」と言います。水洗は応接間の外に上下水道を引いて済ませました。
とりあえずブローニーと4×5シートフィルムを現像してみました。暗室内でダークボックスを用いて作業しましたので、フィルム現像はなんとかなりました。11×14サイズのバライタでの引伸ばしも雨戸を閉じ切って行ったので、大丈夫みたいです。ネガキャリアはKさんに作り方を教えていただきました。 応接間にはエアコンが付いていたので、真夏・真冬でもなんとかなりそうです。
そこで、家じゅうの壁紙を張り替え、フローリングなどのリフォームのついでに、(物置状態だった)8畳の応接間の一画を区切って暗室をつくりました。
この応接間改造暗室は5月12日に完成しました。しかし、出来上がりには全くの不満です。約4畳の暗室は、カーテンレールで仕切っただけですから、天井との間に隙間が生じてしまい、光が盛大に入ってきます。
そんな状態で、ベセラー45MTX、水洗器、暗室時計、イーゼルなどを、研究会とN先生から購入し、車で運び入れました。調整においでいただいたN先生も「これだけ光が漏れると、黒い紙でも貼るしかないね」と言います。水洗は応接間の外に上下水道を引いて済ませました。
とりあえずブローニーと4×5シートフィルムを現像してみました。暗室内でダークボックスを用いて作業しましたので、フィルム現像はなんとかなりました。11×14サイズのバライタでの引伸ばしも雨戸を閉じ切って行ったので、大丈夫みたいです。ネガキャリアはKさんに作り方を教えていただきました。 応接間にはエアコンが付いていたので、真夏・真冬でもなんとかなりそうです。
2014年5月22日木曜日
佐藤時啓 光 ― 呼吸 展
快晴の朝から一転して昼は雷雨という目まぐるしい木曜日の夕方、写真美術館の佐藤時啓展を観ました。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-2238.html
長時間露光の間に鏡やペンライトを持って歩き回るというおなじみのシリーズが、8×10のネガから引き伸ばされた巨大なインクジェットプリントで展示されています。
お忘れの方があるかもしれませんが、今年の研究会のテーマは「光」なので、その参考になるかとも思って出かけた次第です。
何度も観たシリーズですが、巨大なプリントの前に立つと神秘的なイメージと同時に、暗闇の中で一心不乱にペンライトを振り回している作者の様子が思い浮かび、何回もの試行錯誤やリハーサルに費やしたであろう時間とエネルギーに思いを馳せることになります。 まさに光と格闘している姿!
展示の中盤以降は、ピンホール写真によるパノラマ撮影や、巨大なカメラオブスキュラを使った撮影など新たな視点を追求した作品ですが、個人的な好みでは、この作者ならではのユニークさ、美しさ、世界の見え方の魔術的な変革、といったものにはいささか欠ける気がします。 カラー作品が中心なのも影響しているのでしょうか。
入り口と出口にそれぞれ展示してあった、リスフィルムの裏面から光を当てた作品の美しさはまた格別です。
芸術家として一ヶ所にとどまることはできないのでしょうが、新たな視覚的興奮を期待せずにはいられません。
6時過ぎ、空を見上げると最後の残照が雲を輝かせていました。 自分が展示室に居た時間など、写真家が一枚の作品を撮る為に要した時間よりはるかに短かった、などと考えながら恵比寿駅に向かいました。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-2238.html
長時間露光の間に鏡やペンライトを持って歩き回るというおなじみのシリーズが、8×10のネガから引き伸ばされた巨大なインクジェットプリントで展示されています。
お忘れの方があるかもしれませんが、今年の研究会のテーマは「光」なので、その参考になるかとも思って出かけた次第です。
何度も観たシリーズですが、巨大なプリントの前に立つと神秘的なイメージと同時に、暗闇の中で一心不乱にペンライトを振り回している作者の様子が思い浮かび、何回もの試行錯誤やリハーサルに費やしたであろう時間とエネルギーに思いを馳せることになります。 まさに光と格闘している姿!
展示の中盤以降は、ピンホール写真によるパノラマ撮影や、巨大なカメラオブスキュラを使った撮影など新たな視点を追求した作品ですが、個人的な好みでは、この作者ならではのユニークさ、美しさ、世界の見え方の魔術的な変革、といったものにはいささか欠ける気がします。 カラー作品が中心なのも影響しているのでしょうか。
入り口と出口にそれぞれ展示してあった、リスフィルムの裏面から光を当てた作品の美しさはまた格別です。
芸術家として一ヶ所にとどまることはできないのでしょうが、新たな視覚的興奮を期待せずにはいられません。
6時過ぎ、空を見上げると最後の残照が雲を輝かせていました。 自分が展示室に居た時間など、写真家が一枚の作品を撮る為に要した時間よりはるかに短かった、などと考えながら恵比寿駅に向かいました。
2014年5月18日日曜日
クリエイティブ フォトグラファー

神田小川町でさる大家の写真展を観た後、久しぶりに古書店街を歩いていると、アンドレアス・ファイニンガーのThe Creative Photographer が目に留まりました。 相当くたびれたハードカバーの洋書ですが1500円なので迷わず購入しました。
40年以上昔の「カメラ毎日」誌に「ファイニンガーの完全なる写真」という連載があり、写真についての明快な解説と印象的な作例写真がいまでも脳裏に残っています。 このThe Creative Photographer は、この元記事とは少し違うようですが、掲載されている写真は多くが重複しており、大変懐かしいものでした。
植草甚一の気分で喫茶店に入り、ぱらぱらとページをめくると、前書きの最後にこんな記述がありました。
「この本は、自動的に有意義な写真を撮れるようになるルール集ではありません。 そんな本は存在しません。(略) なぜなら創造的な心はルールによる制約を嫌うからです。
芸術的ではない人は創造の原則を応用することができませんが、それは極端であって、ほとんどの人はある程度の才能があります。 そのような潜在的な、従って無自覚な才能は刺激的な作例で目覚めさせ、発展させることができます。」
This book is not a collection of rules which automatically leads to the production of meaningful photographs. Such a book does not exist. --- For the creative mind abhors the restriction of rules.
And the inartistic person is incapable of applying creative principles. But this is an extreme. Most people are talented to some degree. Such talents, latent and therefore unrecognized, can be aroused and developed by stimulating examples.
1955年、もう60年も昔の本ですが、作例といい考え方といい、少しも古びていないようです。 すこしばかり元気付けられてスタバをあとにしました。
2014年5月12日月曜日
ギャラリーコスモス写真展案内
先日、ギャラリーコスモスのオーナーから連絡がありました。
以下写真展を開催しているのでぜひ御高覧いただきたいとのことでした。
「新山清と時代を共有した写真家の写真展1」(5/25まで)
内容は、オーナーのお父様新山清氏ゆかりの写真家を展示するようで、大変興味深い写真展のようです。
詳しくは、以下ホームページを御参照ください。
http://gallerycosmos.com/main/?p=658
以下写真展を開催しているのでぜひ御高覧いただきたいとのことでした。
「新山清と時代を共有した写真家の写真展1」(5/25まで)
内容は、オーナーのお父様新山清氏ゆかりの写真家を展示するようで、大変興味深い写真展のようです。
詳しくは、以下ホームページを御参照ください。
http://gallerycosmos.com/main/?p=658
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