最近、展示される機会が多いジャンルー・シーフですが、銀座四丁目のアートギャラリーM84にはじめてお邪魔しました。 (9月27日まで) http://artgallery-m84.com/
個人的には、かつて「カメラ毎日」誌上で大辻清司氏が解説していた「ジュディー」が最も気に入っています。 今回も会うことが出来ました。
舞台装置は白い壁と木の丸テーブルだけという最小限の設定。 テーブルを挟んで正面に座るジュディーと、一緒にコーヒーを飲んでいるような、そんな気持ちにさせてくれる一枚です。
帰り際、GIPの倉持社長から、10月に目黒のコスモスでコレクション展IIを開催するので、ぜひ来てほしいとDMをいただきました。
10月7日(火)~12日(日)、パーティは初日の18時半ということでした。
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2014年9月26日金曜日
土居慶司氏 磁器写真展
土居慶司氏が横浜 関内駅近くの吉田町画廊で「磁器写真展」を開催中です。(9月28日(日)まで) http://www.yoshidamachi.net/?cat=5
10x10cmの純白のタイルに、カーボントランスファーという技法で転写された写真は、今までに拝見したイメージもあるのですが、想像以上に階調も豊富で美しいものでした。
お話を聞くと、大変な試行錯誤の上に開発できたプロセスということでした。 高温で焼成されたイメージは有機物を含まない究極のアーカイバルプリントでしょう。 単に保存性だけではなく、そのイメージのクオリティの高さは研究熱心なエンジニアとしての土居氏の面目躍如といったものでした。
つい1時間以上もお話を伺ってしまいました。
2014年9月23日火曜日
Matthew Pillsbury 写真集
ヒルサイドフォトフェアで知ったMatthew Pillsbury の写真集 City Stages が手に入りました。ギャラリーの話では「この作家は人気がうなぎのぼり」なのだそうです。
8x10を使い、都会、ホテルの一室、博物館や美術館などで撮られたイメージはどれも長時間露光で、人の姿は幽霊のようにぼやけています。 その反面、モノの存在感は際立っています。
ルーブル美術館のモナ・リザ、博物館の化石や骨格標本など、永遠の命をもつ物質の前で、生身の人間はその存在も不確かなように見えてきます。 室内でパソコンやテレビを見つめるひとも、虚ろで真っ白な画面と同様、希薄な存在に過ぎなくなります。
しかし、ページをめくっていくと、その存在感が薄い人間の活動が文化を築いてきたということに思いがいたります。 イメージの美しさと、そんなことを考えさせる着想が人気の理由なのでしょうか。
作家のホームページを見ると、来日して撮ったカラー写真も多く載っています。 観光名所ばかりでなく、拙宅近くの公園も登場していて、少し驚きました。
みなれた風景を異世界のように撮る、そんな試みもしてみたくなります。
Fujinon W 180mm f5.6
8x10のカメラを手に入れてから、接写を除いて300mmばかり使ってきました。 すこし広角レンズもほしいと思ってネットで調べていると、フジノンW180mm f5.6の旧タイプがぎりぎり8x10をカバーするという情報を見つけました。これなら多少四隅が切れても広角らしい描写が期待できそうです。 新旧タイプの見分け方は、レンズ名などがネーム環(正面から見えるレンズ周りの部分)に書いてあるものが旧タイプ、鏡筒の外周に書いてあるものが新タイプだということでした。
デパートで開催していたクラシックカメラ市で探しても新タイプばかりで、 店員にきいても、「ネットの情報は間違いが多いですよ・・・」と懐疑的なご意見です。
ヤフオクに登録して待つことしばし、ようやくみつけて13,000円ほどで落札できました。(ちょっと高め!)
品物が届いてみると、シャッターの取り付けリングがなく、これも探し回ってワイズクリエイトで入手。
レンズボードは東急ハンズで買ったパドックという赤い材木と真鍮板で自作し、ようやく格好がつきました。
ピントグラスから覗いてみると、確かに四隅はぎりぎりでほとんどライズする余地はなさそうです。 4x10のパノラマでも良いか、と思っているこのごろです。
2014年9月21日日曜日
村越としや写真展
吉祥寺美術館で9月20日から 村越としや写真展 「火の粉は風に舞い上がる」が開催されています。(11月3日まで) http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/
写真家の郷里である福島を撮った白黒の大判プリントが中心の展示です。
「火の粉は・・・」というタイトルから連想される内容とは異なり、所々に雪が残る静かな山村の風景が淡々と捉えられています。 登場する生き物は雄牛だけで、人の姿は殆どありません。
いくぶん迷路のように仕切られた展示室を歩きながら、大きなプリントを見ていると、「大切なものは目に見えない・・・」という言葉をゆっくり思い出します。
ただ、少し残念なのはせっかくのゼラチンシルバープリントの出来にムラがある点でしょうか。
同じ作品をパンフレットで見るほうが、ずっと調子がよいと感じられるものもありました。
10月25日には平間至とのトークショーがあるそうです。(要予約)
入場料は100円。 常設展示・浜口陽三のメゾチントも必見です。
写真家の郷里である福島を撮った白黒の大判プリントが中心の展示です。
「火の粉は・・・」というタイトルから連想される内容とは異なり、所々に雪が残る静かな山村の風景が淡々と捉えられています。 登場する生き物は雄牛だけで、人の姿は殆どありません。
いくぶん迷路のように仕切られた展示室を歩きながら、大きなプリントを見ていると、「大切なものは目に見えない・・・」という言葉をゆっくり思い出します。
ただ、少し残念なのはせっかくのゼラチンシルバープリントの出来にムラがある点でしょうか。
同じ作品をパンフレットで見るほうが、ずっと調子がよいと感じられるものもありました。
10月25日には平間至とのトークショーがあるそうです。(要予約)
入場料は100円。 常設展示・浜口陽三のメゾチントも必見です。
2014年9月14日日曜日
ジョック・スタージス写真展
ゾーンシステム研究会の例会後、有志が日本橋大伝馬町のみうらじろうギャラリーで開催中のジョック・スタージス展にお邪魔しました。ジョック・スタージスは8×10で撮った自然のままの人物写真が有名ですが、今回はライカS2という中判デジタルカメラで撮影したものもあるそうです。 展示されているインクジェットプリントではほとんど区別ができませんでした。
スタージスの写真展は中国でも開催されたのですが、韓国では開けなかったそうです。 また、現在では愛知県方面で写真の展示をめぐって明治時代を髣髴とさせる騒ぎが起きているようで、これらのトピックを比較すると、その国の文明開化の度合いと見かけの先進性とは相関しないように思えてきます。
会場ではローライフレックスの「ジョック・スタージスモデル」なる特別版も販売されています。 コレクターズアイテムに最適とのことでした。 ちなみにお値段は83万1600円、ちょっと持ち合わせが足りませんでした...
![]() |
| ローライフレックス ジョック・スタージスモデルを手にするみうらじろう氏 |
2014年9月8日月曜日
Ray McSavaney 写真集
ヒルサイドテラス フォトフェア
オサレな代官山で「ヒルサイドテラス フォトフェア」なる催し物が開かれました。 たまたまチケットを頂いたので、最終日の午前中に出かけてみました。 http://hillsideterracephotofair.com/about.html
写真を扱うおなじみのギャラリーや書店、出版社などが出展しています。
見慣れた大家の作品も多く展示されているのですが、思わぬ出会いも楽しいものです。Matthew Pillsbury という作家は始めて知りましたが、シャープに捉えられた都会の夜景と、ぶれた人影がとても美しく魅力的です。
思わずお値段を聞くと、「プラチナプリント6点と写真集のセットで100万円です。」 と、こともなげに教えていただきました。 ちょっと持ち合わせが・・・ 写真集 City Stages はAmazonで6千円強なので、早速注文。 到着が楽しみです。
2014年8月13日水曜日
目黒から恵比寿へ
写真の展示ではないのですが、目黒区美術館の「ジョージ・ネルソン展」と写真美術館の「フィオナ・タン展」をはしごしました。
ジョージ・ネルソンはアメリカのミッドセンチュリーを代表する建築家/デザイナー。
展示の主体は家具やオフィス家具、ディスプレイデザインで、半世紀を経てもコンセプトは少しも古びていません。
所々に映画を上映するスクリーンがあり、みとれてしまいました。
「レクイエム」は、廃棄された自動車のスクラップなどを延々と映し、使い捨てにすることへの批判を表明したもの。 アメリカン・カルチャーの絶頂期にあって、そのあり方に疑問を投げかています。
「カウントダウン」は、街角の表札、交通標識、市場の値札など、様々な「数字」を撮影したスライドでカウントダウンしていくというアイデア。 どうしても最後のゼロまで見てしまいますが、その先に仕掛けが・・・ 同世代のチャールズ・イームズにも通じる、おもしろいものでした。
雨も降りそうなのですこし急ぎ足で恵比寿まで歩き、写真美術館の「フィオナ・タン まなざしの詩学」へ。
何の予備知識もなく入ったところ、写真ではなく動画のみの展示でした。 なかでも楽しめたのは「ディスオリエント」。
大きなスクリーンを寝転がって見上げていると、異世界に踏み込むような気分になります。 作者の意図が那辺にあるのか、ほとんど理解できませんが、仏像や剥製、骨格標本、人形などがうず高く積まれた異国の倉庫を舐めるように見せられていると、この場所を訪れ、8×10で写してみたいという衝動に駆られました。
ジョージ・ネルソンはアメリカのミッドセンチュリーを代表する建築家/デザイナー。展示の主体は家具やオフィス家具、ディスプレイデザインで、半世紀を経てもコンセプトは少しも古びていません。
所々に映画を上映するスクリーンがあり、みとれてしまいました。
「レクイエム」は、廃棄された自動車のスクラップなどを延々と映し、使い捨てにすることへの批判を表明したもの。 アメリカン・カルチャーの絶頂期にあって、そのあり方に疑問を投げかています。
「カウントダウン」は、街角の表札、交通標識、市場の値札など、様々な「数字」を撮影したスライドでカウントダウンしていくというアイデア。 どうしても最後のゼロまで見てしまいますが、その先に仕掛けが・・・ 同世代のチャールズ・イームズにも通じる、おもしろいものでした。
雨も降りそうなのですこし急ぎ足で恵比寿まで歩き、写真美術館の「フィオナ・タン まなざしの詩学」へ。
何の予備知識もなく入ったところ、写真ではなく動画のみの展示でした。 なかでも楽しめたのは「ディスオリエント」。
大きなスクリーンを寝転がって見上げていると、異世界に踏み込むような気分になります。 作者の意図が那辺にあるのか、ほとんど理解できませんが、仏像や剥製、骨格標本、人形などがうず高く積まれた異国の倉庫を舐めるように見せられていると、この場所を訪れ、8×10で写してみたいという衝動に駆られました。
2014年8月2日土曜日
三陸鉄道 情熱復活物語
出版社に勤務する会員のKさんが編集を手がけた「三陸鉄道 情熱復活物語」が出版されました。昨年の忘年会で「牡蠣くん」を教えてくれたKさんです。
http://zonesys.blogspot.jp/2013/12/blog-post_3261.html
7月の末、ちょうど本書を読み終えるころにJR山田線を三鉄が引き受けるかどうか、現地調査が行われたというニュースが流れ、すっかりおなじみになった(つもりの)望月社長をテレビで拝見しました。 まさに現在進行中のドキュメンタリーです。
(岩手県知事のコメントは、JRという巨大組織の無責任さを警戒するようにも聞こえましたが、この点は本書ではあまり深くは追求されていません。)
本書は悲惨な津波の被害からの復興を描いたドキュメンタリーですが、その視点はあくまでも暖かく、現実のつらい部分の描写は最低限に抑えられています。 三鉄といえばあまちゃんというイメージも強いのですが、NHKとのコンタクトの裏話も面白おかしく紹介されていて、あまちゃんを観たことがない私も思わず笑ってしまいました。
この物語は、絶望的な状況でも強い意志と希望、そして実行の戦略を持てば克服が可能であるというお手本のような内容です。 お互いを思いやる協力精神をもつことが、我々人類が今まで生き延びてきた戦略であったと再認識させられます。 そして、それがあれば、近い将来、自分がヒサイシャの立場となっても何とかなる・・・という希望を持つことができる、そんな内容です。 一読をお勧めします。
http://zonesys.blogspot.jp/2013/12/blog-post_3261.html
![]() |
| http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/gen/gen4lit_etc/santetu_reb/ |
7月の末、ちょうど本書を読み終えるころにJR山田線を三鉄が引き受けるかどうか、現地調査が行われたというニュースが流れ、すっかりおなじみになった(つもりの)望月社長をテレビで拝見しました。 まさに現在進行中のドキュメンタリーです。
(岩手県知事のコメントは、JRという巨大組織の無責任さを警戒するようにも聞こえましたが、この点は本書ではあまり深くは追求されていません。)
本書は悲惨な津波の被害からの復興を描いたドキュメンタリーですが、その視点はあくまでも暖かく、現実のつらい部分の描写は最低限に抑えられています。 三鉄といえばあまちゃんというイメージも強いのですが、NHKとのコンタクトの裏話も面白おかしく紹介されていて、あまちゃんを観たことがない私も思わず笑ってしまいました。
この物語は、絶望的な状況でも強い意志と希望、そして実行の戦略を持てば克服が可能であるというお手本のような内容です。 お互いを思いやる協力精神をもつことが、我々人類が今まで生き延びてきた戦略であったと再認識させられます。 そして、それがあれば、近い将来、自分がヒサイシャの立場となっても何とかなる・・・という希望を持つことができる、そんな内容です。 一読をお勧めします。
2014年6月22日日曜日
2014年 ゾーンシステム ワークショップ
今年のゾーンシステムワークショップは3月に始まり、6月22日が最終回でした。 少人数ながら熱心な方々が参加し、銀塩白黒写真の奥深さを体験しました。
銀塩写真はいまや完全な古典技法ですが、永年にわたり多くの人々がその表現技術を追求し、開発してきた歴史の重みは簡単に消えてしまうことはないでしょう。 次代につながる若い世代が興味を持ち、学んで行く姿勢は頼もしいものがありました。
中島先生の自作解説など、リラックスしながらも有意義なレクチャーでした。
来年も熱心な人たちの参加を期待したいと思います。
2014年6月15日日曜日
GIPコレクション展
6月14日の例会終了後、研究会有志は地下鉄南北線で目黒に移動し、ギャラリーコスモスのGIPコレクション展にお邪魔しました。 丁度パーティの時間だったので、(というより、その時間に合わせて行ったのですが...)以前からお世話になっているGIPの倉持社長、コスモスの新山社長とも歓談することができました。
コレクターAさんは早速ジャンルー・シーフのプリントをゲット。 私も掘り出し物を探したのですが、あいにく手の出ないものばかりでした。
このように、プリントをコレクションすることも研究会の大切な活動です。
2014年5月27日火曜日
風景とは...
村越としやという写真家が気になっています。
福島県に生まれ、県内の静かな風景を大判で撮った作品を発表しています。
説明がなければそれとは気づかない写真。 しかし、その眼差しは大きな災厄に見舞われた土地の記憶へと注がれています。
三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで開催中の「写真とことば、記憶の種」(6月8日迄)と、新宿御苑ちかくのプレースMで開かれていた「リフレクション展」(5月25日で終了)を巡って、その奇をてらわないストレートな表現に、写真の本来持つ可能性を再確認できたような気がします。
そして、プレースMの会場のパネルに掲げられていた倉石信乃氏の長文のコメントに「風景とは何よりもまず政治的である。」という一節をみたとき、一瞬にして四十年前にタイムスリップしてしまいました。 そう、大切な物は目に見えない、それを可視化することが優れた写真なのだと。
福島県に生まれ、県内の静かな風景を大判で撮った作品を発表しています。
説明がなければそれとは気づかない写真。 しかし、その眼差しは大きな災厄に見舞われた土地の記憶へと注がれています。
三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで開催中の「写真とことば、記憶の種」(6月8日迄)と、新宿御苑ちかくのプレースMで開かれていた「リフレクション展」(5月25日で終了)を巡って、その奇をてらわないストレートな表現に、写真の本来持つ可能性を再確認できたような気がします。
そして、プレースMの会場のパネルに掲げられていた倉石信乃氏の長文のコメントに「風景とは何よりもまず政治的である。」という一節をみたとき、一瞬にして四十年前にタイムスリップしてしまいました。 そう、大切な物は目に見えない、それを可視化することが優れた写真なのだと。
2014年5月26日月曜日
応接間改造暗室をつくりました。
ゾーンシステムの講習を受け、4×5カメラを購入してから1年が経過しました。ゾーンシステムを続けるには、「フィルム現像」と「引伸ばしプリント」を自分で行なわなければなりません。これまでフィルム現像は深夜の風呂場で行い、学校の暗室にあるLPL 7700でべた焼だけを作っていました。不便なことこの上もありません。
そこで、家じゅうの壁紙を張り替え、フローリングなどのリフォームのついでに、(物置状態だった)8畳の応接間の一画を区切って暗室をつくりました。
この応接間改造暗室は5月12日に完成しました。しかし、出来上がりには全くの不満です。約4畳の暗室は、カーテンレールで仕切っただけですから、天井との間に隙間が生じてしまい、光が盛大に入ってきます。
そんな状態で、ベセラー45MTX、水洗器、暗室時計、イーゼルなどを、研究会とN先生から購入し、車で運び入れました。調整においでいただいたN先生も「これだけ光が漏れると、黒い紙でも貼るしかないね」と言います。水洗は応接間の外に上下水道を引いて済ませました。
とりあえずブローニーと4×5シートフィルムを現像してみました。暗室内でダークボックスを用いて作業しましたので、フィルム現像はなんとかなりました。11×14サイズのバライタでの引伸ばしも雨戸を閉じ切って行ったので、大丈夫みたいです。ネガキャリアはKさんに作り方を教えていただきました。 応接間にはエアコンが付いていたので、真夏・真冬でもなんとかなりそうです。
そこで、家じゅうの壁紙を張り替え、フローリングなどのリフォームのついでに、(物置状態だった)8畳の応接間の一画を区切って暗室をつくりました。
この応接間改造暗室は5月12日に完成しました。しかし、出来上がりには全くの不満です。約4畳の暗室は、カーテンレールで仕切っただけですから、天井との間に隙間が生じてしまい、光が盛大に入ってきます。
そんな状態で、ベセラー45MTX、水洗器、暗室時計、イーゼルなどを、研究会とN先生から購入し、車で運び入れました。調整においでいただいたN先生も「これだけ光が漏れると、黒い紙でも貼るしかないね」と言います。水洗は応接間の外に上下水道を引いて済ませました。
とりあえずブローニーと4×5シートフィルムを現像してみました。暗室内でダークボックスを用いて作業しましたので、フィルム現像はなんとかなりました。11×14サイズのバライタでの引伸ばしも雨戸を閉じ切って行ったので、大丈夫みたいです。ネガキャリアはKさんに作り方を教えていただきました。 応接間にはエアコンが付いていたので、真夏・真冬でもなんとかなりそうです。
2014年5月22日木曜日
佐藤時啓 光 ― 呼吸 展
快晴の朝から一転して昼は雷雨という目まぐるしい木曜日の夕方、写真美術館の佐藤時啓展を観ました。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-2238.html
長時間露光の間に鏡やペンライトを持って歩き回るというおなじみのシリーズが、8×10のネガから引き伸ばされた巨大なインクジェットプリントで展示されています。
お忘れの方があるかもしれませんが、今年の研究会のテーマは「光」なので、その参考になるかとも思って出かけた次第です。
何度も観たシリーズですが、巨大なプリントの前に立つと神秘的なイメージと同時に、暗闇の中で一心不乱にペンライトを振り回している作者の様子が思い浮かび、何回もの試行錯誤やリハーサルに費やしたであろう時間とエネルギーに思いを馳せることになります。 まさに光と格闘している姿!
展示の中盤以降は、ピンホール写真によるパノラマ撮影や、巨大なカメラオブスキュラを使った撮影など新たな視点を追求した作品ですが、個人的な好みでは、この作者ならではのユニークさ、美しさ、世界の見え方の魔術的な変革、といったものにはいささか欠ける気がします。 カラー作品が中心なのも影響しているのでしょうか。
入り口と出口にそれぞれ展示してあった、リスフィルムの裏面から光を当てた作品の美しさはまた格別です。
芸術家として一ヶ所にとどまることはできないのでしょうが、新たな視覚的興奮を期待せずにはいられません。
6時過ぎ、空を見上げると最後の残照が雲を輝かせていました。 自分が展示室に居た時間など、写真家が一枚の作品を撮る為に要した時間よりはるかに短かった、などと考えながら恵比寿駅に向かいました。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-2238.html
長時間露光の間に鏡やペンライトを持って歩き回るというおなじみのシリーズが、8×10のネガから引き伸ばされた巨大なインクジェットプリントで展示されています。
お忘れの方があるかもしれませんが、今年の研究会のテーマは「光」なので、その参考になるかとも思って出かけた次第です。
何度も観たシリーズですが、巨大なプリントの前に立つと神秘的なイメージと同時に、暗闇の中で一心不乱にペンライトを振り回している作者の様子が思い浮かび、何回もの試行錯誤やリハーサルに費やしたであろう時間とエネルギーに思いを馳せることになります。 まさに光と格闘している姿!
展示の中盤以降は、ピンホール写真によるパノラマ撮影や、巨大なカメラオブスキュラを使った撮影など新たな視点を追求した作品ですが、個人的な好みでは、この作者ならではのユニークさ、美しさ、世界の見え方の魔術的な変革、といったものにはいささか欠ける気がします。 カラー作品が中心なのも影響しているのでしょうか。
入り口と出口にそれぞれ展示してあった、リスフィルムの裏面から光を当てた作品の美しさはまた格別です。
芸術家として一ヶ所にとどまることはできないのでしょうが、新たな視覚的興奮を期待せずにはいられません。
6時過ぎ、空を見上げると最後の残照が雲を輝かせていました。 自分が展示室に居た時間など、写真家が一枚の作品を撮る為に要した時間よりはるかに短かった、などと考えながら恵比寿駅に向かいました。
2014年5月18日日曜日
クリエイティブ フォトグラファー

神田小川町でさる大家の写真展を観た後、久しぶりに古書店街を歩いていると、アンドレアス・ファイニンガーのThe Creative Photographer が目に留まりました。 相当くたびれたハードカバーの洋書ですが1500円なので迷わず購入しました。
40年以上昔の「カメラ毎日」誌に「ファイニンガーの完全なる写真」という連載があり、写真についての明快な解説と印象的な作例写真がいまでも脳裏に残っています。 このThe Creative Photographer は、この元記事とは少し違うようですが、掲載されている写真は多くが重複しており、大変懐かしいものでした。
植草甚一の気分で喫茶店に入り、ぱらぱらとページをめくると、前書きの最後にこんな記述がありました。
「この本は、自動的に有意義な写真を撮れるようになるルール集ではありません。 そんな本は存在しません。(略) なぜなら創造的な心はルールによる制約を嫌うからです。
芸術的ではない人は創造の原則を応用することができませんが、それは極端であって、ほとんどの人はある程度の才能があります。 そのような潜在的な、従って無自覚な才能は刺激的な作例で目覚めさせ、発展させることができます。」
This book is not a collection of rules which automatically leads to the production of meaningful photographs. Such a book does not exist. --- For the creative mind abhors the restriction of rules.
And the inartistic person is incapable of applying creative principles. But this is an extreme. Most people are talented to some degree. Such talents, latent and therefore unrecognized, can be aroused and developed by stimulating examples.
1955年、もう60年も昔の本ですが、作例といい考え方といい、少しも古びていないようです。 すこしばかり元気付けられてスタバをあとにしました。
2014年5月12日月曜日
ギャラリーコスモス写真展案内
先日、ギャラリーコスモスのオーナーから連絡がありました。
以下写真展を開催しているのでぜひ御高覧いただきたいとのことでした。
「新山清と時代を共有した写真家の写真展1」(5/25まで)
内容は、オーナーのお父様新山清氏ゆかりの写真家を展示するようで、大変興味深い写真展のようです。
詳しくは、以下ホームページを御参照ください。
http://gallerycosmos.com/main/?p=658
以下写真展を開催しているのでぜひ御高覧いただきたいとのことでした。
「新山清と時代を共有した写真家の写真展1」(5/25まで)
内容は、オーナーのお父様新山清氏ゆかりの写真家を展示するようで、大変興味深い写真展のようです。
詳しくは、以下ホームページを御参照ください。
http://gallerycosmos.com/main/?p=658
2014年4月26日土曜日
研究会会員の記事
研究会の会員であり写真コレクターのS氏(現在休会中です)が雑誌アートコレクターズ5月号に掲載されました。
本屋にお立ち寄りの際、もし置いてありましたら見てあげてください。「にっぽんの現代写真はおもしろい!」という記事の中の、「コレクターが語る、写真の愉しみ」です。
なお、雑誌の情報は以下ホームページをご参照ください。
http://www.tomosha.com/collectors/LatestContents
本屋にお立ち寄りの際、もし置いてありましたら見てあげてください。「にっぽんの現代写真はおもしろい!」という記事の中の、「コレクターが語る、写真の愉しみ」です。
なお、雑誌の情報は以下ホームページをご参照ください。
http://www.tomosha.com/collectors/LatestContents
2014年4月19日土曜日
コダックとポラロイド
3月から4月にかけて、写真の歴史に関する対照的ともいえる二冊の本を読みました。 コダックとポラロイドという、世界を制覇した巨大企業の物語です。
***
ミース博士が語った写真技術史の研究開発物語
C.E.K.ミース著 是松忍訳 講談社ビジネスパートナーズ
ポラロイド伝説
クリストファー・ボナノス著 千葉敏生訳 実務教育出版
技術者の書いた技術史と、ジャーナリストが書いた企業史という違いはあるが、ある時代を築いた巨大企業のなかで、人々がどのような問題に直面し、それを乗り越えてきたか(そして、ついには乗り越えられなかったか)を垣間見ることが出来て興味深い。
20世紀前半にコダック研究所のトップとして感材の開発をリードしてきたミース博士の本は、技術史として専門用語にあふれてはいるが、翻訳もよくたいへん読みやすい。(年代表記に明らかなミスプリントが散見されるが…)
ゼラチンの原料となる牛のエサの種類によって乾板の感度が大きく変わることがわかり、それがきっかけで増感色素、ひいてはパンクロ乳剤の進歩につながったというエピソードなど、普通の無味乾燥な教科書にはない内容は飽きることがない。
コダック全盛時代に書かれたもので、自信と希望に満ちていると思えるのは気のせいだろうか。
一方のポラロイド。
コダックを相手に特許紛争に全面勝利したこと、その一方でフィルム製造工程をコダックに委託していたことなど、知っていたつもりでも改めて教えられた事柄が多い。
デジタルカメラがポラロイドを滅ぼしたことが事実だったにしても、それは最後の一撃に過ぎなかったこという指摘は考えさえられる。 その前兆は(後から振り返れば)10年以上も前から表れていたという。オンリー・ワンの発明によって成功したベンチャーも、数十年の間には玩具メーカーにすぎなくなって 大衆の好みにふり回されるありきたりの会社になってしまったということだろうか。
娘の素朴な疑問をきっかけに発明されたという伝説が、デジタル化に乗り遅れてフェードアウトしたというもう一つの伝説によって締めくくられてしまった。
二冊を読み終えたころ、雑誌・東洋経済に「本業消失」と題して富士フイルムの変身成功の経緯が特集されていた。
現在のデジタルカメラにもすでに陰りは見えている。 その先には何が待っているのだろうか?
***
ミース博士が語った写真技術史の研究開発物語
C.E.K.ミース著 是松忍訳 講談社ビジネスパートナーズ
ポラロイド伝説
クリストファー・ボナノス著 千葉敏生訳 実務教育出版
技術者の書いた技術史と、ジャーナリストが書いた企業史という違いはあるが、ある時代を築いた巨大企業のなかで、人々がどのような問題に直面し、それを乗り越えてきたか(そして、ついには乗り越えられなかったか)を垣間見ることが出来て興味深い。
20世紀前半にコダック研究所のトップとして感材の開発をリードしてきたミース博士の本は、技術史として専門用語にあふれてはいるが、翻訳もよくたいへん読みやすい。(年代表記に明らかなミスプリントが散見されるが…)
ゼラチンの原料となる牛のエサの種類によって乾板の感度が大きく変わることがわかり、それがきっかけで増感色素、ひいてはパンクロ乳剤の進歩につながったというエピソードなど、普通の無味乾燥な教科書にはない内容は飽きることがない。
コダック全盛時代に書かれたもので、自信と希望に満ちていると思えるのは気のせいだろうか。
一方のポラロイド。
コダックを相手に特許紛争に全面勝利したこと、その一方でフィルム製造工程をコダックに委託していたことなど、知っていたつもりでも改めて教えられた事柄が多い。
デジタルカメラがポラロイドを滅ぼしたことが事実だったにしても、それは最後の一撃に過ぎなかったこという指摘は考えさえられる。 その前兆は(後から振り返れば)10年以上も前から表れていたという。オンリー・ワンの発明によって成功したベンチャーも、数十年の間には玩具メーカーにすぎなくなって 大衆の好みにふり回されるありきたりの会社になってしまったということだろうか。
娘の素朴な疑問をきっかけに発明されたという伝説が、デジタル化に乗り遅れてフェードアウトしたというもう一つの伝説によって締めくくられてしまった。
二冊を読み終えたころ、雑誌・東洋経済に「本業消失」と題して富士フイルムの変身成功の経緯が特集されていた。
現在のデジタルカメラにもすでに陰りは見えている。 その先には何が待っているのだろうか?
2014年4月12日土曜日
めぐたま食堂
恵比寿の写真美術館は、金曜の夜8時まで開いています。
勤め帰りに「蓮杖」展を見た後、このブログで紹介のあっためぐたま食堂に寄りました。
「蓮杖」の名前は知っていたものの、画家として出発し、晩年には再び画家に戻ったことをはじめて知りました。 大変な思いで習得した筈の写真技術をなぜ捨ててしまったのか、想像を超える事情があったのでしょう。
壁沿いの書架にある膨大な写真集からは、川田喜久治の「地図」、奈良原一高の「消滅した時間」(いずれも復刻版で著者の献辞入り)を選んで眺めました。
昭和を代表するこの写真家たちの重い表現をみていると、写真を撮る意味を改めて考えさせます。
これからは写真美術館とセットで楽しめる場所ができたようです。
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